教室ブログ

2026.06.04

宇宙人はいるか -ドレイクの方程式

こんにちは、個別指導Wam藤の木校です。

 

宇宙人って、いるのでしょうか。

地中外生命体にも惹かれますが、どうせなら人類とコンタクトする可能性のある地球外文明を知りたいですよね。いるなら会ってみたいところです。でも知らずに不意に襲ってきたら恐怖です。空想ではなく科学的にも、もしかすると防衛的にも考えておく価値がありそうです。

 

「宇宙人はいるか」。この問題を考えたのがフランク・ドレイクという人です。アメリカの天文学者で、こんにち「ドレイクの方程式」というものを1961年に提示しました。

名前は方程式ですが、数式と呼んだ方がいいかもしれません。その「ドレイクの方程式」によると、銀河系で人類と交信が可能な知性体による文明の数Nは、簡単にいうと次のような式で表されます。

N=R×f×L

Rは銀河系で1年間に生命の存在が可能な惑星が生まれる星の数、fは一つの星のまわりに知性体が生まれる確率、Lは知性体の文明が存続する年数です。

まあ、当たり前のようにもみえますが、実際に計算してみましょう。

 

まず銀河系で1年間に生まれる星の数(R)はどれくらいでしょうか。

ドレイクは、銀河系で年平均10個の恒星が誕生し、あらゆる恒星のうち惑星を持つ恒星は半数、惑星を持つ恒星のうち生命が誕生可能な惑星は二つ、つまり R=10×0.5×2=10 としました。

 

次に一つの星のまわりに知性体が生まれる確率(f)はどうでしょう。

ドレイクは生命が誕生可能な惑星では100%生命が誕生し、うち1%で知的文明が獲得され、うち1%が通信可能となるとして f=1×0.01×0.01=10のマイナス4乗(1万分の1)としました。

でもこれは、いくら何でも楽観的予測すぎる(多すぎる)と言われています。なので、ちょっと別の視点から考えてみましょう。

現在地球に存在する生物の種は未記載のものを含めるとだいたい1000万種くらいで、過去までさかのぼるとその100倍くらいの種が誕生したと言われています。その中で人類、つまり一種のみが知性体になったのだから、fは(1000万種×100倍)分の1、つまり10のマイナス9乗(10億分の1)くらいではないでしょうか。

 

最後に、知性体の文明が存続する年数(L)はどうでしょう。

ここでいう文明とは、遠い星からでもわかるような文明のことですから、人類も電気や通信、ロケットや人工衛星を作れるようになってから、つまり100年くらいです。

そしてこれからどれくらい存続できるかですが、地球温暖化や戦争など人類の未来は暗雲が立ち込めているようにも思いますが、まあ期待を込めて1000年くらいとしておきましょう。

なおこの方程式のパラメータのうち、Rの値は概ね妥当かとされていますが、fもLも憶測の域を出ず、不確かと言われています。

 

以上をドレイクの方程式に代入すると、

N=R×f×L=10×0.00 000 0001×1000=10×10のマイナス9乗×10の3乗

=10のマイナス6乗=0.00 001

となります。

この結果から、この銀河系の中では互いに通信できる知性体は0.00001の確率で存在する・・・つまりほとんどないという、絶望的な値となります。人類は、この天の川銀河の中で唯一の知性体と言っていいのかもしれません。

 

人類はこの銀河の中で唯一の知性体かもしれない・・・

では銀河の数はどれくらいあるのでしょう?2016年の研究では少なくとも2兆個はあるとされています。ということは、

この宇宙で互いに通信できる知性体の文明の数

=銀河系で互いに交信できる知性体の文明の数N×銀河の数

なので、上で求めたNを代入すると、

銀河系で互いに交信できる知性体の文明の数N×銀河の数

=10のマイナス6乗 × 2×10の12乗(=2兆個)=2×10の6乗

=200万個

となります。銀河といっても大小いろいろあるものの、計算上は200万個もの文明が存在していることになります。驚きです。

 

でも、こんなにも多いのなら、なぜ観測できないのでしょうか?

 

私たちがいる天の川銀河の直径は約10万光年です。だから別の銀河系に文明があるとしても、10万光年以上離れたところにあることになります。

さて、観測は最も速い速さをもつ光で行われていますが、光速を超えた領域は観測できません。例えば1光年という距離は光が一年かけて到達できる距離ですが、仮に1光年離れた距離にある星を観察すると、その星の1年前の姿を見ていることになります。逆に言うと1年前にその星が爆発していてもわからず、1年後に爆発したことがわかるわけです。

私たちにとって身近な天体である太陽の光ですら、到達するまでに約8分19秒かかっています。

このような宇宙の観測可能な範囲の上限を「宇宙の地平線」といいます。

 

「宇宙の地平線」の先は観測不能、つまりわからない(地球にいると8分前から後の太陽はわからないのと同じ)というのが正確なのですが、仮に「宇宙の地平線」を超えても、宇宙は同じように広がっていると仮定したとしましょう。

地球が誕生してから46億年です。もし46億光年離れたところで、地球と同時に全く同じ惑星が誕生していたとしても、また仮にそれを観測できたとしても、観測できるのはまだ生まれて間もない“過去の”惑星です。生命のカケラもありません。

その“コピー地球”が、(考えにくいですが)地球と全く同じ歴史を辿っているとしても、それを観測することはできません。

 

もし100光年離れたところに、人類と交信が可能な知性体による文明があるとしましょう(100光年って我々の天の川銀河の中ですが)。でも観測できるその文明の姿は100年前の姿です。

もし光速でその文明のところを訪れたとしても、着くのは100年後です。100年間生きていられるかも怪しいですが、それも人工冬眠などで克服したとして、文明は最初に観測した姿より既に200年(観測時+訪問)経っていることになります。

今(2026年)から200年前って1826年ですから、日本はまだ江戸時代(の末期)ですね。また今から200年後も同じような生活をしている保証はなく、衰退しているかもしれません。

いやはや、もはや光速を超えた速さを移動できる技術(ワープとか)を頑張って開発するしかない?ですね。。。

 

 

以上、「宇宙人はいるか」の問いを考えてきました。

ドレイクの方程式を当てはまると、私たちのいる天の川銀河には人類と交信が可能な知性体による文明はなさそうではあるものの、宇宙全体には200万個くらいありそうです。でも「宇宙の地平線」があるので、仮に観測できてもかなり過去で、交信するのは絶望的・・・のようです。

でも、宇宙の地平線のかなたに全く同じ“コピー地球”があって、そこに自分が生活している可能性も、すごく低いですがゼロではありません。そう考えると、ちょっとわくわくしませんか。

宇宙のかなたにあるあなたは、いま何を思い描いているでしょうか。

 

【参考】

鳥海光弘「これ以上やさしくかけない科学の法則」PHP研究所

ドレイクの方程式(Wikipedia)

銀河(Wikipedia)

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