教室ブログ

2024.03.25

PRとアピール

こんにちは、個別指導Wam藤の木校です。

3月は別れの季節、出会いの季節、そして歓迎の季節です。
その中で「新入生歓迎会で所属のクラブのPRをしてください」とか「もっとアピールし
なきゃ」とか、ふだん何気なく使っていますよね。そのPRとアピール、発音だけでなく
意味も似ていてしばしば混同されています。いったい何が違うのでしょうか。

まずPR(ピーアール)はPublic Relations(パブリック・リレーションズ)の略で、
「広報」や「宣伝」と同じ意味で使われています。言い換えると、PRの本来の目的は公
(おおやけ)との関係を築くこと、と言っていいでしょう。だからPRは、単に「知らせ
る」だけではなく、いつ/誰に/何を/どのように知らせるか、さらにPRされた人(情
報の受け手)がそれをどのように感じ、理解し、行動を起こすかということまでよく考
えて行おう、となります。

一方「アピール」は「人々や世の中に広く訴えかける行為」「訴えかけることそのもの」
をいい、「相手に自分の気持ちや特徴を伝える」という意味となります。単に「説明す
る」だけではなく、長所や強調したい点を力強く訴える、というニュアンスですね。

社会人になると履歴書を書く必要に迫られますが、履歴書には「自己PR欄」があります。
そこでついついPRとアピールを混同してしまうのです。
PRは「自分と公(おおやけ)の関係を良くするための活動」つまり「自分と会社のつな
がりを良くするための活動」ですので、履歴書の自己PR欄に書くべきことは、「会社に
対してどんなことをして、どんなことに貢献できるのか」ということです。ただの「ア
ピール=自己主張」では、企業に貢献できることの根拠にはなりません。
「自分と相手との関係」の中で自分の強みを伝えることが大切なので、「私はこんなこ
とをしてきました」と熱弁するのではなく、企業が求めている人材と、自分の能力やス
キルが合っているかということを伝えましょう。

もっとも、面接に至ると「自己紹介」と「自己PR」が定番となりますが、そこでのPRと
アピールは極めて近くなります。面接は全体的に自分をアピールすべき場ですし、その
中でも強みを掘り下げるのが自己PRになります。
自己紹介では、面接官に人柄をアピールするのですが、自分の基本情報を簡潔に伝える
場なので、とにかく短くまとめることが肝心です。
自己PRでは、自分の強みをアピールするのですが、具体的に5W1H(いつ・どこで・だ
れが・どうした・なぜ・どのように)や成果の数字(1位入賞、120%達成、5年間継続
など)をなるべく入れるようにしましょう。

PRを誤って使っているのは、何も就活生だけではありません。
誤ったPRの例としてメルマガがあります。しょっちゅう送られてくるメルマガは、中身
があればよいのですが、自社の言いたいことだけを一方的に送り付けてこられても受け
手にとってはクズでしかありません。本来は受け手との関係性を構築するはずのことが、
むしろ結果的に関係性ぶち壊しになってしまっている気がします。
本来の広報(PR)とは、社内のコミュニケーションや従業員の意思統一など経営そのも
のなので、一流と言われる企業になればなるほど役員がこれを担うことが多いそうです。
広報(PR)を狭く解釈し、総務部の一担当者に担わせているだけの会社も多いものの、
それでも担当者がいるだけでも立派です。

なお、日本語のアピールと英語のappealは、ほぼ同じ意味ですがちょっとニュアンスが
異なります。英語のappealの主な意味は「懇願する」「訴える」「抗議する」なのです
が、「裁判官に上訴する」や「応援を要請する」などの場合によく使われるようです。
少し固いイメージがあるのですね。

Facebookでたまに見かけるのは「俺ってこんなに頑張ってる」「こんなに仕事できる」
「いろんなこと知ってる」「こんなに顔が広い」「私ってこんなにお上品」みたいなこ
とです。これらはアピールですね。人間なので気持ちを共有したいことはあるとは思い
ますし、セールスポイントなり特長なりを知ってもらわなければ商売にならないことも
確かでしょう。でも度が過ぎると、受け手からすると「ウザい」「痛い」「お前のこと
なんか聞いてない」となってしまいます。アピールもほどほどが肝心ですね。


【参考資料】
アピールとピーアールの違い
自己紹介と自己PRの違いは?

「PR」と「アピール」─ 似て非なるもの…違いがわかりますか?

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