「学校の調べ学習で『主権者』という言葉が出てきたけれど、意味が難しくてよくわからない……」。そんなふうに、教科書やプリントの前で手が止まっていませんか。あるいは、お子さんに「主権者ってどういう意味?」と聞かれて、うまく説明できずに困っている保護者の方もいるかもしれません。
主権者とは、ひとことで言うと「国の政治のあり方を、最後に決める権利を持っている人」のことです。そして日本では、その決定権を持っているのは「国民」、つまり日本に住む私たち一人ひとりです。これを「国民主権(こくみんしゅけん)」といいます。
この記事では、個別指導塾WAMの教育プランナーが、小学生でもすっきり理解できるように「主権者」の意味を順番に解説します。読み終わるころには、調べ学習のまとめもスムーズに書けるようになっているはずです。
Contents
主権者ってどんな意味?「主権」と「主権者」を分けて考えよう
「主権者」ということばがむずかしく感じるのは、「主権」という見なれないことばが入っているからです。まずは「主権」と「主権者」を、2つに分けて考えてみましょう。
- 主権(しゅけん)……国の政治のやり方を、最後に決めることができる、いちばん強い力のこと。
- 主権者(しゅけんしゃ)……その「主権」を持っている人のこと。
たとえばクラスで、みんなのことをみんなの話し合いで決めるとします。このとき「どうするかを最後に決める力」を持っているのはクラス全員ですよね。それと同じように、国のことを最後に決める力を「主権」、その力を持っている人を「主権者」とよぶのです。
「最後に決める力」というのがポイントです。国には、道路をつくる、学校のしくみを決める、税金をどう使うかを決めるなど、たくさんの大切な仕事があります。そうしたことの方向を、いちばん大もとで決める力が「主権」なのです。
日本の主権者は「国民」=これが「国民主権」
では、日本の主権者はだれなのでしょうか。答えは「国民」です。日本国憲法(にほんこくけんぽう)という、日本でいちばん大切な決まりの中で、「主権は国民にある」とはっきり書かれています。これを「国民主権」といいます。
日本国憲法には3つの大きな柱(三原則)があり、国民主権はそのうちの1つです。
| 日本国憲法の3つの柱 | かんたんな意味 |
|---|---|
| 国民主権 | 国のことを最後に決める力は、国民にある |
| 基本的人権の尊重 | だれもが生まれながらに持つ権利を大切にする |
| 平和主義 | 戦争をしないで、平和を守っていく |
「国民主権」というと、なんだか大人だけの話に聞こえるかもしれません。でも「国民」の中には、小学生のみなさんもふくまれています。今はまだ選挙で投票することはできませんが、みなさんも大きくなれば、国のことを決める大切な一人になります。だからこそ、こうして早いうちに「主権者」の意味を知っておくことには、大きな価値があるのです。
✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス
調べ学習で「国民主権」を取り上げるときは、「歴史的な変化(昔と今の違い)」とセットでまとめると、考察の深まりが一目で伝わる内容になります。
なぜなら、これは多くの子が見落としがちなポイントだからです。実は昔(前の「大日本帝国憲法」の時代)の日本では、国のことを最後に決める力は天皇にある(天皇主権)とされていました。それが、今の日本国憲法(1946年に公布、1947年に施行)によって、その力が「国民」に移ったのです(国民主権)。「だれが主権者か」は時代によって変わってきた、という視点をひとこと加えるだけで、まとめの説得力が変わります。
主権者と選挙の関係|わたしたちは選挙で政治に参加する
「国のことを最後に決める力が国民にある」と言われても、「じゃあ、どうやって決めているの?」と思いますよね。日本の人口はとても多いので、みんなが一か所に集まって話し合うことはできません。そこで登場するのが「選挙」です。
選挙とは、国民が自分たちの代表(国会議員など)を選ぶしくみのことです。選ばれた代表は、国民のかわりに国会で話し合い、国のルールや予算を決めていきます。このように、代表を選んで政治をまかせるやり方を「間接民主制(かんせつみんしゅせい)」といいます。
まだ投票できない小学生にできること
選挙で投票できるのは、今の日本では18歳以上の国民です。小学生のみなさんはまだ投票できませんが、それは「主権者ではない」という意味ではありません。国民の一人であるみなさんも、立派な主権者の一人です。
では、まだ投票できない小学生には、主権者として何ができるのでしょうか。むずかしく考える必要はありません。
- ニュースや新聞を見て、日本や世界のできごとに関心を持つ
- 「自分だったらどう思うか」を考えて、意見を持ってみる
- おうちの人や友だちと、社会のできごとについて話してみる
こうした小さな積み重ねが、大人になって投票するときの、しっかりした判断につながっていきます。主権者としての一歩は、今日から始められるのです。
よくある質問(FAQ)
Q. 主権者と国民は同じ意味ですか?
A. 日本では、ほぼ同じ意味と考えて大丈夫です。日本国憲法で「主権は国民にある」と決められているため、日本の主権者は国民だからです。ただし「国民」は日本国籍を持つ人々そのものを指すことば、「主権者」は国の政治のあり方を決める力(主権)を持つ立場に着目したことば、という違いがあります。
Q. 子どもは主権者ではないのですか?
A. 子どもも国民なので、主権者にふくまれます。ただ、選挙で投票できるのは18歳以上と決められているため、投票という形で力を使えるのは大きくなってからになります。「今はまだ投票できないけれど、主権者の一人である」と理解しておくとよいでしょう。
Q. 昔の日本の主権者はだれでしたか?
A. 今の日本国憲法ができる前は、国のことを最後に決める力(主権)は天皇が持っているとされていました。第二次世界大戦のあとにできた日本国憲法によって、その力が国民に移り、「国民主権」になりました。
まとめ|「主権者=国のことを決める国民」を自分のことばで
最後に、この記事の大切なポイントをふりかえりましょう。
- 主権者とは「国の政治のあり方を、最後に決める力を持っている人」のこと。
- 日本の主権者は国民であり、これを国民主権という(日本国憲法の三原則の1つ)。
- 国民は主に選挙で代表を選ぶことで、政治に参加している。
- 小学生も国民の一人なので、主権者の仲間。ニュースを見る・考える・話すことから始められる。
ここまで読んだみなさんなら、調べ学習のまとめに「主権者とは、国のことを最後に決める権利を持つ人のことで、日本では国民全員がこれにあたります」と、自分のことばで書けるはずです。
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参考にした資料(もっとくわしく知りたい人へ)
- 日本国憲法(前文・第1条ほか)|e-Gov 法令検索(デジタル庁)https://laws.e-gov.go.jp/law/321CONSTITUTION
- 選挙についての紹介|総務省(なるほど!選挙) https://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo_s/naruhodo/
- 国会のしくみと法律ができるまで!|参議院 https://www.sangiin.go.jp/japanese/kids/html/shikumi/kankei.html
