「内申点が足りないので、志望校は厳しいですね」
三者面談でそう告げられ、ショックを受ける保護者の方は少なくありません。「定期テストは取れているのになぜ?」「今からでも上げられる?」と不安になるのも当然です。
内申書の仕組みは都道府県ごとに異なり、一見複雑です。しかし、正しく理解して対策を立てれば、今からでも内申点を改善することは可能です。本記事では、年間1万件以上の進路相談に応じる個別指導塾WAMが、内申書の仕組みから具体的な上げ方まで徹底解説します。
Contents
1. 内申書とは?通知表との違い
「内申書」と「通知表」は混同されがちですが、別のものです。
| 項目 | 通知表 | 内申書(調査書) |
|---|---|---|
| 受け取る人 | 生徒・保護者 | 受験する高校 |
| 内容 | 成績・出欠・所見 | 成績・出欠・特別活動・委員会・部活・行動所見など |
| 作成者 | 担任 | 中学校(校長名で発行) |
| 公開性 | 家庭で確認できる | 原則として本人・保護者は見られない |
内申書は、中学校から受験する高校に送られる「公式の評価書類」で、正式名称は「調査書」と言います。中3の三者面談で「内申点」と言われたら、一般的にこの調査書に記載される「9教科の評定(5段階評価)」の合計を指します。
2. 内申書には具体的に何が書かれているのか
内申書(調査書)には、おおむね以下の内容が記載されます。
- 各教科の評定:主要5教科 + 副教科4教科の5段階評定。
- 出欠状況:欠席日数や遅刻早退。30日以上の長期欠席は理由が記載される場合があります。
- 特別活動・部活動:生徒会役員、委員会、部活動の役職や実績。
- 行動の記録:自主性や公共心など、生活面の評価。
- 総合的な学習の記録:探究学習やグループ活動への取り組み。
3. 内申点の計算方法と都道府県別の違い
内申点の計算ルールは都道府県によって大きく異なります。ここが「最も迷いやすいポイント」ですが、押さえるべきポイントは2つです。
評定は「絶対評価」が基本
2002年以降、内申点は「絶対評価」で付けられます。クラスでの順位ではなく、一人ひとりの学習目標到達度で評定が決まります。ただし運用には学校間で差があるのが実情です。
都道府県による計算方法の違い(例)
| 都道府県 | 対象学年 | 特徴 |
|---|---|---|
| 東京都 | 中3のみ | 副教科の評定を2倍にする |
| 神奈川県 | 中2・中3 | 中3の評定を重視(2倍) |
| 千葉県 | 中1〜中3 | 3年間の積み重ねがすべて評価対象 |
| 埼玉県 | 中1〜中3 | 中3の評定を重視(1:1:2や1:1:3) |
| 大阪府 | 中1〜中3 | 学年が上がるほど比率が高い(1:1:3) |
| 愛知県 | 中3のみ | 全教科を同等に評価 |
⚠ 重要:上記は2024年度時点の概要です。必ずお住まいの都道府県の最新の選抜要項を確認してください。
「副教科が2倍」の都道府県は要注意
東京都など、副教科に2倍の重みをつける都道府県では、副教科の評定が合否を大きく左右します。「実技が苦手だから捨てる」は禁物です。

4. 高校受験で内申点はどれくらい合否を左右するのか
「結局、内申点と当日の入試、どっちが大事?」――これが多くの保護者の最大の関心事です。
公立高校では「内申:学力検査 = 3:7」〜「5:5」が一般的
都道府県により幅はありますが、内申点の比率は全体の30〜50%です。たとえば東京都の都立高校(一般入試)では、内申:学力検査 = 3:7(共通選抜)が標準となっています。
「足切り」基準として使われる場合も
特に私立高校の推薦入試では、内申点が一定基準(例:5教科合計で22以上、9教科合計で35以上など)を満たさないと出願すらできない、というケースが珍しくありません。
つまり受験は、「3年間積み上げた内申点」+「入試当日の得点」の合計で決まります。当日勝負だけでも、内申だけでもダメ。3年間トータルの取り組みが必要です。
公立高校・私立高校 内申点の扱い方の違い
| 入試区分 | 内申点の扱い | その他 |
|---|---|---|
| 公立高校(一般入試) | 当日の学力試験との比率が明記されている(例:5:5、6:4、7:3など)。また、中3のみを使う県、中1〜中3を使う県など評価方法は都道府県で異なる | 副教科の扱いも明記されている |
| 公立高校(推薦入試) | 出願基準となる(例:5教科+副教科で○○以上) | 面接・作文・実技なども含む総合判断 |
| 私立高校(一般入試) | 多くは当日の試験得点重視 | 単願の場合は内申基準が必要なことも |
| 私立高校(推薦入試) | 絶対基準となる | 「3科○以上」「9科○以上」「欠席○日以下」など複合条件 |
5. 内申点を上げる7つの具体策
「内申点を上げる」は精神論ではありません。具体的な行動の積み重ねで向上が期待できます。
策1:定期テストで安定して80点以上を取る
評定「5」を取るには、多くの学校で定期テスト85〜90点以上が目安。「3」から「4」に上げるなら70〜75点が目安です。テスト2週間前から計画的に対策を始めましょう。
策2:提出物を期日通りに、丁寧に出す
提出物の評価ウエイトは評定の20〜30%を占めることがあります。「期日を守る」「空欄なく埋める」「きれいに書く」だけで、評定は1段階上がる可能性があります。
策3:授業中の発言・挙手を増やす
「主体的に学ぶ態度」の評価は、授業内の発言・挙手・グループワーク参加で見られています。1日1回は手を挙げることを目標にしてみましょう。
策4:ノートをきれいに取る
ノート提出を評価対象とする教科では、色分け・図解・自分なりのまとめが評価ポイント。教科書を写すだけでは「3」止まりです。
策5:副教科の実技を真剣に取り組む
音楽の歌のテスト、美術の作品制作、保健体育の実技、家庭科の調理実習……。本気で取り組む姿勢が評価されます。
策6:欠席・遅刻を減らす
欠席日数は内申書に明記されます。月に5日以上欠席があると、評定にマイナス影響が出ることも。
策7:先生に質問しに行く
放課後・休み時間に質問しに行くことで、学習意欲が伝わるだけでなく、理解度も上がる一石二鳥のアプローチです。

6. 副教科(音楽・美術・保健体育・技術・家庭科)が意外に重要な理由
主要5教科に比べて、副教科は対策が手薄になりがちです。しかし、東京都のように副教科を2倍にカウントする都道府県では、主要5教科×1(25点)よりも副教科4教科×2(40点)のほうが合計点が高いのです。
6-1. 副教科で「5」を取るコツ
- 音楽: 歌のテスト・楽器の実技・楽典の筆記。声を出す勇気が大事。
- 美術: 作品の完成度・取り組む姿勢。「丁寧に最後まで」が鉄則。
- 保健体育: 実技に加えて、保健の筆記テスト。実は筆記で差がつく。
- 技術・家庭科: 提出作品(料理・縫物・木工)の完成度と、ワークシートの記入。
副教科は「準備さえすれば得点源にしやすい」領域が多いのが特徴です。
7. 中3からでも内申点は上げられるのか?
「もう中3だから手遅れ」――そう思って諦めるのは、まだ早いです。自治体の制度を正しく知ることで、挽回のチャンスは見えてきます。
- 東京都などの中3重視型: 中3の2学期までの成績で決まるため、今からの挽回が十分可能です。
- 中1からの通算型: 中3の配点比率を高く設定している自治体が多く、最後まで諦めない姿勢が結果を左右します。
8. 親ができる5つのサポート
サポート1:定期テスト前の環境を整える
スマホ・テレビから離し、静かな学習環境を提供しましょう。親も同じ部屋で読書するなど、雰囲気作りが効果的です。
サポート2:「結果」より「プロセス」を褒める
「90点取れたね」より「2週間前から計画的にやってたね」と褒めるとモチベーションを高める効果があり、お子さまは自立して学習に取り組めるようになります。
サポート3:先生との連絡を密にする
三者面談・家庭訪問を活用し、「お子さまの評定の根拠」を具体的に聞くこと。次に何を改善すればいいかが明確になります。
サポート4:副教科を軽視しない声かけ
「内申に効くから、音楽も真剣にやろう」と伝えてあげる。子どもは案外、副教科の重要性を知りません。
サポート5:早めに塾・個別指導を検討
家庭学習だけでは限界があります。第三者のプロが入ることで、客観的に現状を見極め対策することができます。
9. WAMが進路指導で大切にしていること
個別指導塾WAMでは、年間1万件以上の進路相談に対応しています。その中で大切にしているのは、「合格させること」だけではなく「お子さま自身が納得して受験できる」ようにすることです。
内申点の現状を正確に把握する
WAMの進路指導では、通知表・定期テスト結果・授業態度の自己申告をもとに、内申点の現状を分析します。
志望校との「ギャップ」を可視化する
志望校の合格者の平均内申点・当日得点と比較し、「あと何点必要か」を具体的に提示します。
残り期間で達成可能なロードマップを作成
「次の定期テストで○○点」「副教科で○○の課題を完璧に」など、1日単位での実行計画まで落とし込みます。
10. よくある質問(FAQ)
Q. テストは良いのに成績が上がらない理由は?
A.提出物の不備や授業態度、または「観点別評価」の特定項目(思考・表現など)で落としている可能性があります。
Q. 先生との相性が悪い場合は?
A.まずは感情的にならず、先生に「どうすれば評価が上がるか」を直接聞きに行きましょう。改善の意志を見せることが、主観的な評価を覆す第一歩です。
Q. 部活動の実績は内申点に反映される?
A. 直接の評定には反映されませんが、特別活動の記録として記載されます。推薦入試では加点要素になることも。
Q. 委員会・生徒会の経験はどれくらい有利?
A. 推薦入試では加点対象になることが多いです。一般入試では大きな影響はありません。
Q. 提出物を1回出し忘れたら、評定は下がる?
A. 1回だけなら大きな影響はありませんが、繰り返すと「主体的に学ぶ態度」のC評価になり、評定2や3に下がる可能性があります。
Q. WAMで内申点対策はしてもらえる?
A. はい。定期テスト対策・副教科対策・提出物のサポートまで、お子さまの中学校に合わせた完全個別指導で対応します。
まとめ:内申点は「日々の積み重ね」の証明
内申点は、テストの点数だけでは決まりません。毎日の授業、毎回の提出物、副教科の実技、生活態度――その積み重ねが、3年後の高校受験で実を結びます。
「もっと早く対策していれば」と後悔する前に、今日から行動を変えていきましょう。
WAMの個別指導では、お子さまの内申点・志望校・現在の学力をもとに、「一人ひとり違う合格戦略」をオーダーメイドで作成。先生との信頼関係、ご家庭の安心、お子さま自身の納得――この3つがそろう受験を、私たちと一緒に作りませんか?
