2023.03.11
【東大現代文10年分講評ー8】2016年度
【2016-1】 内田樹「反知性主義者たちの肖像」 <感想> 例年ハズレなしの 東大現代文に於いても、 特に名文だった年。 「『無知の知』を忘れ、 他者の意見を 真摯に聞けない傲慢な者は、 いかに知性があろうと 反知性の烙印を押すべき」。 「知性とは集団的叡智であり、 周囲のパフォーマンスを いかに高められるかで測られる」。 まさに「ノブレス・オブリージュ」、 教養とは他者の幸福のために培うもの。 人間は常に人間関係の中で生きるもの。 難易度は標準、前年と比べかなり易化。 時間は40分以内を目指したい。 <(一…
2023.03.10
【東大現代文10年分講評ー7】2017年度
【2017ー1】 伊藤徹「芸術家たちの精神史」 <感想> この年から設問が一問減った。 しかし難易度は前年度よりやや難化。 時間も、設問が一問減ったにも 関わらず、40分程度はかかるかしら。 論理展開にしっかり ついてゆけていると感じる場合は、 ある程度前後を読めば、 もう都度設問を解いても構わない。 しかしたとえば今回の文章のように、 やや難しいと感じる場合は、 無理をせず本文を最後まで読み切ろう。 二度三度読むと、 きっとだんだんと解ってくる。 「怪物のような技術が 止まることない進化を続け、 ついには神話まで打ち砕き、 人間には拠る…
2023.03.09
【東大現代文10年分講評ー6】2018年度
【2018ー1】 野家啓一「歴史を哲学する」 <感想> やや難。40分。 歴史 =直接観察・知覚不可 =「理論的存在(」理論的構成体) =「理論的探求」が必要 =発掘・資料批判・年代測定など =その実在を確証するためには 「物語のネットワーク」が必要 =歴史は「物語り行為」。 例年のような、 現代社会の最先端の問題を 論じる文章でなかったが、 東大現代文にたがわぬ、 素晴らしい文章であったことは 相変わらず。 <(一) 内容説明 やや難> ポイント: 素粒子の証明の背景に物理学理論 …
2023.03.08
【東大現代文10年分講評ー5】2019年度
【2019-1】 中屋敷均「科学と非科学のはざまで」 <感想> 標準レベル。35分程度で仕上げたい。 論旨は非常に明快。 仏教の「中道」や、 アリストテレスの「中庸」にも繋がる。 世界は白か黒かではない。 秩序と無秩序のはざま、 科学と非科学のはざまの、 「グレーゾーン」にこそ、 人間の叡智も幸福も宿る。 <(一) 内容説明 標準> ポイント: 世界は無秩序なのに生物は有秩序 エントロピー増大の法則(無秩序) が支配する自然界に於いて、 有機物である生物が、 秩序ある「形あるもの」として 存在することは、 極め…
2023.03.07
【東大現代文10年分講評ー4】2020年度
【2020ー1】 小坂井敏晶「神の亡霊」 <感想> 一般受験生レベルだと難。 東大受験生レベルだと標準。 35~40分程度で仕上げたい。 テーマはよく耳にする「自己責任論」。 筆者の論理展開も明快。 そして筆者と東大の主張はもちろん 「さよなら自己責任」。 <(一) 理由説明 やや難> ポイント: 米国では格差の責任は社会でなく個人 機会均等・自由競争の米国社会では、 弱肉強食のルールが正当化され、 格差の責任は 社会でなく個人に帰せられるため、 平等を追求する動きは育ちにくいから。 …
2023.03.06
【東大現代文10年分講評ー3】2021年度
【2021ー1】 松嶋健「ケアと共同性」 <感想> 東大受験生からすれば やや易しかったか。 前年度比もやや易化したか。 40分あれば仕上げられたのでは。 前年度に続き「さよなら自己責任」。 「してあげる側/される側」 の単純な二元論を超えた、 「あらゆる関係性を含む動的な関係」 としての「ケアの理論」という、 これまた流石最高学府! という素晴らしい文章だった。 <(一) 内容説明 標準 > ポイント: 一元的でない相互的な深いつながり タイのHIV感染者と エイズ発症患者による、 一元的ではな…
2023.03.05
【東大現代文10年分講評ー2】2022年度
【2022-1】 鵜飼哲「ナショナリズム、 その<彼方>への隘路」 <感想> またも素晴らしい文章。 東大は常に 受験生の固定観念を揺さぶってくる。 今回は「ナショナリズムは幻想」。 難易度としては、 取り組み易かった前年度(2021) よりさらにやや易化した印象。 力ある受験生なら、 30分程度で仕上げられるだろう。 東大受験生は、 論理のルール(同値・対比・因果)を 身に着けるのは同然ながら、 「ことばはチカラだ!」(河合) などで語彙力を、 「読むだけ小論文」(学研) などで現代社会の広く浅くの論点を、 押さえておくことは必須だろう…
2023.03.04
【東大現代文10年分講評ー1】2023年度
【2023ー1】 吉田憲司「仮面と身体」 <感想> 僕は2001年度ぶんから ずっと東大現代文を解いていますが、 年々着実に易化してるように思います。 一般受験生レベルでもやや難、 東大受験生レベルならやや易、 といった印象です。 時間もかつての第一問なら 45分くらい必要なものありましたが、 近年のレベルなら、 力のある受験生なら 35分程度で完答出来ると思います。 ここ最近、第一問は、 「ナショナリズム」 「自己責任」「介護」など、 「現代社会の諸問題」が テーマでしたが、 今回は、 「仮面は不可視の異界と自身の顔を かりそめに可視化…
2023.03.04
【東大現代文10年分講評ープロローグ】
【プロローグ】 前回までの 「共通テスト10年分講評」に続き、 今回から、 「東大現代文10年分講評」をします。 各予備校の東大現代文の模範解答は、 トップ講師が何人も結集し、 何時間もかけて練りに練って作成した、 いわばメンツをかけた「出来過ぎ」の、 「誰がそこまで書けんねん」 のそれです。 勿論、東大にトップ合格するような 一部の真の秀才受験生は、 同様の模範解答を作成出来るでしょう。 しかしその他大勢は、 たとえ合格する受験生であっても、 「限られた時間内」で、 前述のような解答は流石に望めません。 ゆえに僕は、 「限られた時間内」
2023.03.03
【WAM四谷三丁目校】開校1年目 2023合格実績
上智 立教 法政 成城 成蹊 昭和 開校1年目、 少数精鋭でしたが、 全員が第一志望校の合格を 勝ち取ってくれました!! その他のみんなも ★ワムのみの通塾で 中学受験合格 ★中1で 英検3級合格 ★中2で 英検準2級合格 ★新宿区立中で 学年トップ5入り ★新宿区立中で 学年トップ20 ★ワムの面接練習で 都立推薦合格 ★1ケタ点数から 一気に60点台へ (中高一貫校生) ★1ケタ点数から 一気に40点台へ (公立校生) ★勉強する子に なった ★勉強のやり方が わかった ★東進模試で 化学偏差値80超 など、頑張ってくれています。 NE
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