教室ブログ

2025.06.17

福沢諭吉ってどんな人物なの?

dosokai.st.keio.ac.jp/in...

福沢諭吉(ふくざわ ゆきち、1835年1月10日–1901年2月3日)は、幕末から明治期にかけて日本の近代化を牽引した啓蒙思想家、教育者、著述家です。下に彼の生涯・思想・業績を詳しくまとめました。


1. 生い立ちと学問への目覚め

  • 出生と家柄
    豊前中津藩(現在の大分県中津市)の下級武士の家に生まれる。諱は「範(はん)」、字は「子囲(しい)」で、当初は「ふくさわ」と発音していたが、維新後に「ふくざわ」と改める。(ja.wikipedia.org)
  • 幼年期の苦学
    1歳半で父を亡くし、母子家庭で貧しい生活を送る。14歳で佐藤尚中の塾で儒学を学び、19歳で長崎に遊学して蘭学と砲術を習得。

2. 蘭学から英学へ/海外体験

  • 適塾での修業
    大坂の緒方洪庵の適塾で蘭学を深め、のちに塾頭を務めるほどの才覚を示す。
  • 国外視察(1860年)
    幕府の通訳として江戸から米国経由ヨーロッパを視察。滞欧中に綴った紀行「西洋事情(Seiyō Jijō)」全10巻を1867–70年に刊行し、平易な文体で西洋文化・制度を紹介、大ベストセラーとなる。(en.wikipedia.org)

3. 慶應義塾の創設と教育理念

  • 私塾開設
    1858年、江戸・中津藩邸に蘭学塾を開き、のちに東京に移転。「慶應義塾」と称し、誰でも学べる学校として発展させる。
  • 教育哲学
    著作『学問のすすめ(Gakumon no Susume)』全17編(1872–76年)で「天は人の上に人を造らず…学ばざる者と学ぶ者との差が明暗を分ける」と説き、**「独立自尊」「実学重視」「個人の自立が国の独立につながる」**という理念を唱えた。(en.wikipedia.org)

4. 主な著作と思想

  • 『西洋事情』(全10巻、1867–70年)
    西洋の事情を紹介し、開国後の日本人に初めて体系的な知識を与えた。
  • 『学問のすすめ』(17編、1872–76年)
    教育の普及と個人の自立を強調し、明治の啓蒙運動に大きな影響を与えた。
  • 『文明論之概略(An Outline of a Theory of Civilization)』(1875年)
    仏・英の文明論を下敷きに、「文明とは知識と教育の成果であり、相対的・段階的な概念である」と論じた。(en.wikipedia.org)

5. 社会的役割と実績

  • 新聞『時事新報』創刊(1882年)
    言論活動を通じて国民啓蒙に努めた。
  • 専門学校設立支援
    専修学校(専修大学の前身)、商法講習所(一橋大学の前身)、伝染病研究所などの設立にも尽力。
  • 日本学士院初代会長就任
    学術研究の振興にも寄与。(ja.wikisource.org)

6. 晩年・死去とレガシー

  • 晩年
    後進の育成に専念し続け、1901年2月3日に没。享年65。
  • 貨幣肖像
    1984年から一万円札の肖像に採用され、日本人に最も親しまれる偉人像の一つとなっている。(ja.wikisource.org)
  • 現代への影響
    「学ぶことによって人格を磨き、自立する」―福沢の思想は、現代の教育理念やビジネスパーソンの自己啓発にも通ずる普遍的メッセージを持つ。

福沢諭吉の生涯は、まさに日本が封建社会から近代国家へと歩みを進めた激動の時代と重なります。彼の著作や教育活動は、今なお日本の学びの礎として息づいています。

この記事をシェア

  • facebook
  • twitter
  • instagram

\入力はカンタン30秒

フリーダイヤル® 0120-20-7733 受付時間:10:00~22:00(年中無休)