
【第1問 評論文】
<総じて>
やや難。目標20分。
1ミスくらいで何とか乗り切りたい…。
なんと選択肢が5択から4択へ!!
<要旨>
観光はかつて「する」ものだったが、
「見る」ものになった。
しかし昨今「する」要素がリバイバル。
そもそも主体は
「見る」だけではなく同時に
「見られている」客体でもあり、
「行為する存在」としての
身体性でもある。
<問1> 漢字 標準
全て基本的な漢字で全問正解したい。
正解は③、②、②、④、①。
<問2> 内容説明 標準
ポイントは、
「観光者=見る側」の果てしない欲望
=「まなざしの全域化」に、
「観光地生活者=ホスト側」が、
果てしなく付き合わされうる、
という隘路(ボトルネック)。
上記のような「正解のイメージ」を
持って選択肢に臨み、
「時間を食うわ引っかかるわ」の
「消去法」ではなく、
「積極法」でズバリ正解したい問題。
正解は④。
<問3> 内容説明 やや難
ポイントは、
「観光研究は生活者重視」、
「ブーアスティンは能動的旅に価値」。
これもズバリ積極法で行きたいが、
問2と違って選択肢が紛らわしい。
正解は③。
①「批判し」が言い過ぎ、後半も△。
②は「観光研究」「ブーアスティン」が
一緒くたになっていて✕。
④は「無価値」なのは
「見る側の観光者」ではなく
「見るだけの観光」。
<問4> 理由説明 やや難。
ポイントは、
「パフォーマンス的展開」。
観光は「体験重視」へ、
それと並行し
観光研究は「従来視点の再考」。
問3同様、選択肢が紛らわしい。
正解は②。
①は「商品に押し上げる」が言い過ぎ。
③の「観光は見るだけでは説明不可」は
「観光研究」というより「筆者」認識。
④は「無理解さを反省した」が謎。
<問5> 表現説明 標準
ポイントは、
Dはシンプルに
「見るとする」トゥギャザー、
「見るとする」の二者択一は不毛。
Eは「人々の身体が都市を演出」。
選択肢の長さに惑わされないで!
Dだけでほぼ②のみに絞り込める
「積極法」で解ける問題。
「消去法」ならただ時間だけを食う。
<問6> 内容説明 標準
本文の最後の3行しか
解答への根拠がないので、
これは「正解のイメージ」を持って
「積極法」で臨むのが困難、
しぶしぶ「消去法」で選択肢を吟味。
しかしこれも問5同様、
一見選択肢が長いが見掛け倒し。
最後の1行の比較のみで②に絞れる。
部分というより、
全文にわたる要旨に関わる問題でした。
①「まなざしの非対称性」
③「招かれざる客」
④「観光者相互のコミュニケーション」
などは要旨とは遠く、
どうかすぐ消せてほしい。
【第2問 小説文】
<総じて>
標準。目標15分。
評論文同様、選択肢は4択。
<要旨>
引きこもり=生活力がない=無価値、
と決めつけてパージしないで!という、
近代合理主義・損得勘定(コスパ)に
染まり切った現代の若者たちへの
共通テストからの痛快なアンチテーゼ。
ちなみに作者の蜂飼耳さんは、
2014年に東大でも出題されました
(そしてそれは
ここ20年の東大現代文の中でも
最凶難易度のひとつでした…)。
<問1> 行動説明 やや難
ポイントは、
「本当は弾けないが弾けるふり」。
積極法で①が正解だが、
各選択肢がやや紛らわしい。
②は「大切な曲」が✕。
③は「追憶にひたる」が✕。
④は「深い思い入れ」が✕。
<問2> 心情説明 標準
ポイントは、
「母みたく意地悪な気持ちが出て、
おじさんを少し虐めてみた」。
強固な論理の評論文と違い、
微妙な感情の小説文は、
「正解のイメージ」を事前に持ち
「積極法」を窺いながらも、
しっかり「消去法」も駆使すべし。
正解は④。
①は「情けなくなり」が✕、
②は「出来の高さを疑わず」が✕。
③は「失望感」が✕。
<問3> 相違点説明 標準
ポイントは、
モノ作りはするが
引きこもりのおじさんに対し、
生活力のみを見て「シビア」な母と、
我が子可愛さで中身も見ている祖母。
問1・2よりは
選択肢が紛らわしくない。
正解は③。
①は「いつか実力を見せる」が✕。
②は「負担」が✕。
④は「叱っても仕方ない」が✕。
<問4> 相違点説明 標準
ポイントは、
前者:子供にも見透かされるくらいの
痛々しさでて「かわいそう」。
後者:いいとこ(モノ作り)あるのに
生活力なくイキられ「かわいそう」。
正解は④。
①は後者が✕。
②は前者が△、後者が✕に近い△。
③は前者が✕に近い△、後者が△。
④が相対的判断で「最も適切」。
<問5> 表現 標準
流石に表現問題は完全に消去法で。
②・③・④が完全に適当、①が正解。
①は、別におじさん自身は自身の状況を
「不本意」とは思っていない。
これらはむしろおじさんの
「周囲からの遮断」の比喩。
<問6> 心情説明 やや易
ポイントは
「おじさんが作れる
オカリナすら作れない今の私、
なんだか将来不安になっちゃった」。
問3同様、選択肢が紛らわしくない。
正解は①。
②は「おじさんのためにできること」、
③は「振り回され続ける」、
④は「おじさんの内申を測りかね」、
がそれぞれ明らかに✕。
<問7> 心情変化 標準
ポイントは、
異端(=おじさん)は不安
↓
異端(=おじさん)を包摂、
への心情の変化。
選択肢が長いだけで見掛け倒し。
正解は④。
①は「安心感」が、
②は「居心地良い場所から逃避」が、
③は「挑戦する必要」が、
それぞれ✕。
【第3問 実用文】
<総じて>
標準。目標15分。
予想通り登場した実用文。
英語みたい。
時間無制限なら満点取れるでしょう。
しかし出来れば10分、
かけられても15分、という
限られた時間を考えると、
1問くらいはミスるよね…。
共通テスト
=ただのしょうもない
情報処理能力測定テスト。
ちなみ昨今のトレンドだった
「複数素材の比較検討」は、
評論文・小説文ではなくなり、
この「実用文」のみになりました。
そしてこの「実用文」の最終問題は、
良くも悪くも「思考力」の真骨頂問題。
<要旨>
一見して意味の解りにくい外来語は、
必要に応じて適切な日本語に
言い換えて使用するべき。
しかしその際は画一化せず、
年代別・世代別など
様々な角度から重層的に検討すべき。
<問1> 資料の読み取り 標準
正解は②。
他の選択肢は明らかに違う。
<問2> 資料の読み取り 標準
正解は④。
資料内に「概念普及に役立つ」とある。
<問3i> 資料の読み取り 標準
①が紛らわしいが、
①はわずかに不適当、
④はめっちゃ不適当。
相対的判断で④が正解。
<問3ii> 思考力 やや難
消去法で臨むしかない。
正解は②と⑤。
加筆パート:
①は、1段落ではまだ
資料Ⅱは出てきてないです…。
③は、資料Ⅲは
「外来語を頻繁に使う」ことを示す
資料ではないです…。
修正パート:
④は迷うが、
3段落の「重層的検討」からややズレ。
⑥は「医療」に限定し過ぎ。