教室ブログ

2023.06.29

長篠の戦い 三段撃ちの真実とは?

こんにちは!兵庫県筑紫が丘校の河合です。

ここ最近は梅雨のジメジメした暑さにやられっぱなしですが、皆様はいかがお過ごしでしょうか?

 

私はここ最近久しぶりに大河ドラマ「どうする家康」を見るようになりました。

もともと歴史が好きなこともあり、毎週楽しく拝見しております。

 

「どうする家康」ではついこの前、長篠(設楽原)の戦いを描いた回が放送されました。

実は私が戦国時代の中でもかなり好きな戦いで、子どもの頃に読んだ歴史の本の絵の中で

織田・徳川連合軍の鉄砲三段撃ちの迫力に圧倒されたことをよく覚えています。

 

火縄銃は、威力こそ高いものの一発撃った後に次の弾を込めるまでに時間がかかり、

連射ができないという致命的な弱点がありました(慣れた人でも、二発目を撃つまでにだいたい30秒くらいかかるらしいです)。

長篠の戦いで相対したのは機動力が売りの武田軍の騎馬隊で、弾を込めるのにもたついてしまうと

あっという間に騎馬隊に距離を詰められやられてしまいます。

 

そこで、全体の隊列を三列に分けて、一列目が撃ち終わった直後に二列目・三列目が出て次の弾を撃つ…という形で

火縄銃の弾込めのロスをなくすのが、三段撃ちという戦法でした。

途切れることなくどんどん弾が飛んでくるという、当時の常識にない斬新な戦法で織田・徳川連合軍は勝利を収めたのです。

 

ところで、実際は本当にこんなにうまくいくのでしょうか?

 

 

実は、NHKのある番組で実際に三段撃ちを検証していました(^^;)

まず、前提として火縄銃で正確に狙って撃てるのは距離にして約50mが限界だそうです。

しかし、日本の在来馬に乗って50mを測定すると、約4秒で自陣まで到達されてしまうようです。(早っ!)

 

 

 

 

 

 

 

はたして、三段撃ちの戦法は、この4秒の壁を乗り越えることができるのでしょうか?

 

いざイメージに沿って三段撃ちをやってみたところ、3列に分けた隊列の準備が揃うまでは撃つことができません。

実際には各隊列の最後に準備ができた人に合わせることになるので、仮に早く準備ができた人がいたとしても、

一番遅い人を待つという状態が生まれてしまいます。

 

この射撃法で一列目が撃った後に二列目が発砲するまでにかかった時間は、

 

…なんと約20秒!(笑) 遅っ!

これだと余裕で騎馬隊に蹴散らされてしまいますね…💦

 

これを踏まえて、番組の中では、「先着順自由連射」という、従来伝えられていた三段撃ちとは異なる戦法も試されていました。

これは、空いたところに準備ができた人がどんどん入って撃っていくという、ある意味隊列を無視した射撃法です。

この射撃法ですと、一度に全方向から撃たれるわけではありませんが、一発当たりの間隔は平均3秒まで短縮されます。

これだと、常にどこからか弾が飛んでくるので、武田軍の騎馬突撃は困難だったと考えられるようです。

(当時のことを記した資料にも「立ち代わり立ち代わり撃たせる」と書かれてあるので、記述の内容にも合います)

 

こんなふうに、教科書でしか知らなかった出来事が、実際はどうだったのか?を想像したり、検証したりすることも

歴史の魅力なのかもしれませんね(・∀・)

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