教室ブログ

2022.12.30

干支(えと)について③

こんにちは、個別指導WAM西取石校です。

今年も残りわずかとなりました。充実した1年だったでしょうか。

当教室も、12月30日から1月3日までお休みとなります。1月4日からは、冬期講習授業及び通常授業が再開されます。来年は、コロナも収まり、ウクライナでの戦争も終結してくれることを願うばかりです。

 

さて、「干支(えと)」についてのお話の続きです。

そもそもは、1から10までの順番を表す「十干(じっかん)」の日本語読みが、なぜ「きのえ・きのと……」と読まれるようになったのかということから。

 

そこには、古代中国の「気」の思想が関係してきます。森羅万象、宇宙のあらゆるものは、相反する陽と陰の二気によって消長盛衰し、陽と陰の二気が調和して初めて自然の秩序が保たれているという考えです。これが「陰陽(おんみょう)」説です。そして、中国の戦国時代末期頃(紀元前3世紀)に、前回お話しした「五行説」と結びついて「陰陽五行説」となりました。すなわち、万物は木(もく)火(か)土(ど)金(ごん)水(すい)の5種類の元素からなり、その5元素に陽の気と陰の気が関係し、世の中のあらゆる事象が引き起こされるのだというものです。

 

5元素×2気=10通りなので、これを「十干」に当てはめたわけです。古代の日本では、一対のもの(ワンペアー)を、「えうと」といっていました。漢字で記せば、「兄(え)」と「弟(うと)」です。それがなまって「兄(え)弟(と)」となり、陰陽の二気も一対(ワンペアー)ですので、陽を「兄(え)」、陰を「弟(と)」と表したのです。

 

すなわち、本来は数詞であった「十干」が、陰陽五行説と結びつき、「甲」が木の陽、「乙」が木の陰を表すとして、日本において「甲」を「きのえ(木の兄)」、「乙」を「きのと(木の弟)」と訓じたのです。以下、同様に「丙」が「ひのえ(火の兄)」、「丁」が「ひのと(火の弟)」、「戊」が「つちのえ(土の兄)」、「己」が「つちのと(土の弟)」と訓読みします。

 

「十二支十干」で「干支(かんし)」を「えと」と読むのも、もとろん「兄(え)弟(と)」が由来です。決して「干」に「え」、「支」に「と」という読みがあるわけではありません。「梅雨」を「つゆ」と読むのと同様の、いわゆる「熟字訓」です。

 

「干支」の話はまだまだ尽きません。「干支」にまつわるetc…(エトセトラ)につきましては、また、次回に。

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