「意見文を書いてきなさい」と課題を出されたものの、原稿用紙を前にペンが止まってしまう。何を書けばいいのか思いつかず、気づけば締め切りが目の前――。高校生になって急に増える「テーマ作文」や「意見文」に、そんな苦手意識を持っている人は少なくありません。
でも安心してください。高校生の作文は、文章のセンスや才能で決まるものではありません。「書く前の準備」と「型(テンプレート)」を知っているかどうかで、書きやすさは大きく変わります。作文が苦手な人でも、5つのステップに沿って進めれば自然と文章が完成します。序論・本論・結論の構成から具体例の入れ方、原稿用紙の使い方、推敲のコツまで順を追って確認していきましょう。読み終わるころには、「これなら自分にも書けそうだ」と思えるはずです。
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そもそも、なぜ高校生の作文は急に「書けなく」なるのか
小学校・中学校の作文といえば、「遠足の思い出」「読書感想文」など、自分の体験や気持ちを書くものが中心でした。ところが高校生になると、「〇〇について、あなたの意見を述べなさい」というテーマ作文・意見文が一気に増えます。
体験作文と意見文では、求められているものがまったく違います。体験作文が「感じたことを伝える」文章だとすれば、意見文は「自分の考えを、理由をつけて相手に納得してもらう」文章です。だからこそ、思いつくままに書くだけでは字数も埋まらず、内容も浅くなってしまいます。
つまり、書けないのは能力の問題ではなく、「論理的な意見文を書くコツをまだ掴めていないだけ」ということです。 逆に言えば、書き方の型を一度身につければ、テーマが変わっても同じ手順で書けるようになります。
作文を書く5ステップ|いきなり書き始めないのがコツ

作文が苦手な人ほど、いきなり1行目から書き始めて途中で行き詰まりがちです。おすすめは、次の順番で進めることです。
- テーマ分析:出されたテーマが「何を問うているのか」を読み解く
- 材料集め:自分の考えと、その理由・具体例を書き出す
- 構成づくり:序論・本論・結論に材料を振り分ける
- 執筆:構成に沿って一気に書く
- 推敲(すいこう):読み返して誤字や表現を整える
ポイントは、執筆前に行う「テーマ分析・材料集め・構成づくり」という3つの準備に時間をかけることです。 設計図なしに家を建てられないのと同じで、構成が決まっていれば、執筆そのものは驚くほどスムーズに進みます。
ステップ1・2:テーマ分析と材料集め(書く前の準備)
テーマを「自分への問い」に言いかえる
最初にやるべきは、テーマをよく読み、「結局、何について答えればいいのか」を一文の問いに言いかえることです。
たとえば「スマートフォンとの付き合い方について」というテーマなら、「高校生はスマホをどう使うべきか?」という問いに変換します。テーマが抽象的なときほど、この「問い」を具体的にしておくと、書く方向がぶれません。
「意見・理由・具体例」の3点をメモする
問いが決まったら、原稿用紙に書き始める前に、メモ用紙やスマホのメモ帳に材料を書き出します。集めるのは次の3つです。
- 意見(結論):問いに対する自分の答え(例:使う時間を自分で決めるべきだ)
- 理由:そう考える理由や背景(例:自分で決めた約束は守りやすいから)
- 具体例:理由を裏づける体験や身近な出来事
この段階では、きれいな文章にする必要はありません。箇条書きで十分です。材料さえそろえば、あとはそれを型に流し込むだけです。
ステップ3:作文の基本構成は「序論・本論・結論」の3部

高校生の作文でもっとも使いやすいのが、序論・本論・結論の3部構成です。文章全体を3つのブロックに分け、それぞれに役割を持たせます。文字数の目安は、序論2割・本論6割・結論2割ほどが書きやすいバランスです。
序論:自分の意見(結論)を先に示す
序論では、テーマに対する自分の立場を最初にはっきり書きます。「私は〇〇だと考える」と先に結論を示すことで、読み手は「これから何が語られるのか」を理解しながら読み進められます。書き出しに悩んだら、「〜については、さまざまな意見がある。私は〜と考える」という形から始めると入りやすいでしょう。
本論:理由と具体例で意見を支える
本論は作文の中心で、「なぜそう考えるのか」を理由と具体例で説明する部分です。ここでステップ2で集めた材料が生きてきます。おすすめは、「理由→具体例→だから〜」という順で書くことです。
たとえば「使う時間を自分で決めるべきだ。なぜなら、人から決められた約束より守りやすいからだ。実際に私は、親と相談して1日の使用時間を自分で決めてから、だらだら使うことが減った。だから、自分でルールを決めることが有効だと考える」といった流れになります。
結論:もう一度、意見をまとめて締める
結論では、本論の内容を受けて、序論で示した意見をもう一度別の言葉でまとめます。新しい話題をここで持ち出すと、まとまりが悪くなるので避けましょう。「以上のことから、私は〜と考える」という形でまとめると、筋の通った説得力のある文章になります。
ステップ4:構成に沿って一気に書く
意見文の説得力は、具体例の質で大きく変わります。「なんとなく良いと思う」で終わらせないために、次の3つを意識してみてください。
- 自分の体験を優先する:ニュースの受け売りより、実際に体験したことのほうが説得力があり、あなたにしか書けない内容になります。
- 数や場面を少し具体的にする:「よくある」より「週に3回ほど」、「みんな」より「同じクラスの友人」のように、少しだけ具体的にすると情景が伝わります。
- 1つの意見につき具体例は1〜2個にする:たくさん並べるより、一つの例をていねいに描くほうが印象に残ります。
なお、本やインターネットの内容を使うときは、どこから知った情報かを「〜によれば」と示すことが大切です。他人の文章をそのまま自分の意見のように書くのは避け、あくまで自分の考えを主役にしましょう。
原稿用紙の正しい使い方

内容が良くても、原稿用紙の使い方でつまずくと評価を落としてしまうことがあります。基本ルールを確認しておきましょう。
- 文章の書き出しや段落の初めは1マス空ける:改行して新しい段落を始めるときも同様です。
- 句読点(、。)は1マスに1字:ただし行頭(1マス目)には書かず、前の行の最後のマスの中に文字と一緒に書くか、マスの右下に添えます。
- かぎかっこ(「」)も1マスずつ:会話や引用に使います。
- 小さい「っ」「ゃ」なども1マス使う:詰めて書かないようにします。
- 数字は縦書きなら漢数字が基本:算術数字(1, 2, 3)ではなく、「十個」や「三回」のように漢数字で書くのが原則です。
こうしたルールは、慣れれば自然に守れるようになります。提出前に、段落の頭が空いているか、句読点の位置は正しいかを見直すだけでも、仕上がりの印象が変わります。
ステップ5:書き終えたら必ず「推敲」する
作文は、書き終えた瞬間が完成ではありません。一度読み返して整える「推敲」までが作文です。時間があれば、書いた直後ではなく、少し時間をおいてから読み返すと、自分の文章を客観的に見直せます。次のチェックリストを使ってみてください。
- 序論の意見と、結論の意見が食い違っていないか
- 「だから」「なぜなら」などのつなぎ言葉が正しく使えているか
- 一文が長すぎて、意味が分かりにくくなっていないか
- 誤字・脱字、原稿用紙のルールの間違いはないか
- 「思う」「〜だ」など、文末の言い方が課題の指定に合っているか
声に出して読んでみると、リズムの悪い部分や言葉の重複に気づきやすくなります。
作文と小論文は何が違う?
高校生になると「小論文」という言葉も耳にするようになります。作文と小論文は似ていますが、求められるものが少し異なります。
作文は「体験や気持ちを交えて、自分の考えを表現する」文章、小論文は「客観的な根拠をもとに、論理的に主張を述べる」文章です。小論文では、感想よりも「なぜそう言えるのか」という理由づけがより重視されます。ただし、ここまで紹介した「序論・本論・結論の構成」や「理由と具体例で支える」という考え方は、小論文でもそのまま役立ちます。
小論文の書き方をさらに詳しく知りたい人は、あわせて確認してみてください。
よくある質問(FAQ)
Q. 字数が足りません。どうすれば増やせますか?
A. 無理に言葉を引き伸ばすのではなく、「具体例」を1つ加えるのが効果的です。理由に対して「たとえば」と体験を書き足すと、自然に字数が増え、説得力も上がります。
Q. 書き出しの1行目が思いつきません。
A. 1行目から順番に完成させようと固執する必要はありません。まずは書きやすい「本論(理由や具体例)」から本文を作り始め、全体像が見えてから序論の導入文を執筆すると、スムーズにまとまります。
Q. 自分の意見に自信が持てません。
A. 意見に「正解」はありません。大切なのは、その意見に理由と具体例をつけて筋道立てて説明できているかどうかです。ありふれた意見でも、あなたの体験で裏づければ十分に良い作文になります。
まとめ:型を知れば、作文はスムーズに「書ける」ようになる
高校生の作文が難しく感じるのは、才能がないからではなく、書き方の型をまだ知らないだけです。この記事で紹介した流れを、もう一度振り返ってみましょう。
- テーマを「自分への問い」に言いかえる
- 意見・理由・具体例をメモに書き出す
- 序論・本論・結論の3部構成に振り分ける
- 「理由→具体例→だから」の順で本論を書く
- 原稿用紙のルールを守り、最後に推敲する
この順番どおりに進めれば、真っ白な原稿用紙を前に固まってしまうこともなくなります。まずは次の課題で、一つでも試してみてください。
そうはいっても、「自分の書いた作文を誰かに見てほしい」「もっと伝わる表現に直したい」と感じることもあると思います。 個別指導塾WAMでは、一人ひとりの答案に合わせて、作文や小論文の書き方を先生と一緒に組み立てていくことができます。書いた文章にその場でアドバイスをもらいながら進めたい人は、無料の体験授業や学習相談から気軽に始めてみてください。作文への苦手意識は、正しい手順と少しの練習で、きっと変えていけます。
