今の仕事が合わなければ、転職すればいい!!
社会に出てからでも、いくらでもやり直せる!!
こうした言葉は、決して嘘ではありません。
実際、日本でも転職は一般的になり、フリーランスとして働く人も増えています。
私も2度の転職を経験しています。
しかし同時に、見落とされがちな事実があります。
日本では、やり直しは可能だが、そのために支払うコストが非常に大きいという現実です。
このコストは、お金だけの話ではありません。
時間、年齢、評価、生活の安定、そして精神的な負荷まで含めた、総合的な負担です。
まず、一般的な転職について考えてみましょう。
転職というと、環境を変え、気持ちを新たに再スタートできるような印象を持たれがちです。
しかし企業側から見たとき、転職者は新しい人材ではあっても、白紙の新人ではありません。
企業は転職者に対して、次の点を非常に厳しく見ています。
これまで何をしてきたのか。実績はあるのか。
どの分野で、どのレベルの経験があるのか
自社で即戦力として機能するか。
つまり転職とは、これまでのキャリアの延長線上で評価される行為です。
未経験分野への転職は可能ですが、その場合は年齢に対して経験が浅い人材として扱われることになります。
その結果、年収が下がったり、役職がリセットされたりすることは、決して珍しいことではありません。
むしろ転職のほとんどのケースで年収はダウンすると言われています。
次に、フリーランスという選択肢です。
フリーランスは、時間や場所に縛られにくく、実力次第で収入を伸ばせる働き方として注目されています。
確かに、組織の人間関係や年功序列から解放されるというメリットはあります。
しかし、その自由は常に市場から評価され続けるという条件付きの自由です。
フリーランスには、給料の保証も、仕事の割り当てもありません。
仕事があるかどうかは、常に今の自分のスキルが通用しているか。によって決まります。
さらに重要なのは、フリーランスは一度スキルが陳腐化すると、仕事が一気に減るという点です。
技術や知識の更新を止めた瞬間、市場から静かに選ばれなくなります。
つまりフリーランスとは、自由な働き方であると同時に、学び動き続けることを前提とした厳しい働き方でもあるのです。
では、学び直せばいいのではないか?この考え自体は、非常に健全です。
実際、社会人になってから資格を取得したり、新しい分野を学んだりして、キャリアを広げている人はたくさんいます。
ただし、学び直しは決して簡単ではありません。
まず、時間の問題があります。フルタイムで働きながら勉強する場合、使えるのは夜や休日だけです。
これを数ヶ月ではなく、数年続ける必要があるケースも少なくありません。
次に、お金の問題があります。
資格取得費用、講座代、場合によっては大学や専門学校の学費。
学び直しには、想像以上に現実的な出費が伴います。
そして最も重要なのは、学んだからといって、必ずキャリアが好転するとは限らないという点です。
この背景には、日本社会の構造があります。
日本は長らく、新卒一括採用と年功序列を軸にキャリアが設計されてきました。
何歳で、どの経験を積んでいるか。が強く結びついて評価される社会です。
そのため、キャリアを途中で切り替えると、年齢と経験のバランスが崩れやすくなります。
年齢は上がっている。しかし評価される経験は少ない。
この状態が、転職や学び直しを精神的にも経済的にも厳しいものにしています。
ここで誤解してほしくないのは、
やり直さなければ学ばなくていい!!という話ではない、ということです。
実際には、多くの社会人が、今の仕事を続けるためだけに学び続けています。
法改正への対応
技術のアップデート
業界構造の変化への適応
これは転職や独立を目指す人だけの話ではありません。
同じ会社で働き続ける人にとっても、学びは必須になっています。
重要なのは、やり直すな!ということではありません。
重要なのは、やり直しが必要になる確率を下げる選択をすることです。
若いうちに選択肢を残しておく
進路を雑に決めない
学びを途中で完全に切らない
これだけで、将来支払うコストは大きく変わります。
日本では、人生は何度でもやり直せます。
ただし、そのたびに時間と労力と覚悟が求められます。
だからこそ、進路は今の気分ではなく、
将来の自分がどれだけ自由でいられるかという視点で考えてほしい。
やり直しのコストが高い社会だからこそ、
早く知っている人ほど、選択が楽になります。
このブログが、その視点を持つきっかけになれば幸いです。