前回の記事では、日本の進路が卒業=就職という一発勝負の構造になっていることを、世界との比較から整理しました。
今回はさらに踏み込み、実際に日本では学歴ごとにどのような就職活動が行われ、どのような差が生まれているのかを、2026年現在の雇用情勢と賃金統計を踏まえて解説します。m(__)m
進路を考えるうえで重要なのは、どの進路が良いか、ではなく
その進路を選んだ瞬間に、何ができて、何ができなくなるのかを知ることだと思います
大学院生の就職活動は、学部生とは性質が大きく異なります。
特に理系では、研究室単位での推薦、企業との共同研究、学会での接点などが就職ルートとして機能しています。
学校側は、
研究成果・論文・専門分野を前提に、
研究職・開発職・専門職へのマッチングを重視します。
学生側も、
どの企業でどの研究を続けるか、専門性をどう活かすか、
かなり具体的なキャリア設計を求められます。
2026年卒の院卒初任給は、厚生労働省の賃金構造基本統計調査を見ても、学部卒より明確に高水準です。
また、生涯年収では学部卒を約4,000万〜5,000万円上回る傾向が確認されています。
加えて、研究職・開発職・データサイエンス分野などでは、院卒以上が応募条件になるケースが多く、学歴がそのまま職業選択の鍵になります。
一方で、社会に出る時期は確実に遅れます。
修士で2年、博士まで進めば5年以上、実務経験を積めない期間が生まれます。
また、学費負担も現実的な問題です。
国立大学院でも年間約54万円、私立や海外大学院では数百万円規模になることもあります。
専門性がそのまま武器になる反面、専門を外した瞬間、選択肢が急激に狭まる。これが院卒の最大のリスクです。
日本の就職活動の標準モデルが、学部卒です。
大学3年生からインターンシップ、説明会、エントリーが始まり、4年生の春には内定が出る。
この流れを前提に、大学側もキャリアセンターを設計しています。
学校側は、
幅広い企業情報の提供
エントリーシート対策
面接指導
といった就活支援に力を入れます。
学生側は、
業界研究、自己分析、インターン参加
を通して、進路を後から固めていくケースが多くなります。
最大の強みは、応募できる企業・職種の多さです。
総合職、企画職、営業職、事務職など、多くの求人が大卒以上を条件にしています。
また、在学中の4年間を使って、
アルバイト、留学、インターン
などを通じて進路を考え直す時間を持てるのも特徴です。
一方で、奨学金問題は2026年現在も深刻です。
数百万円単位の返済を抱えたまま社会に出る若者は少なくありません。
また、大学は専門職養成機関ではないため、
何を意識して過ごすかによって、スキルが身につく4年間にも、何も残らない4年間にもなり得ます。
ポテンシャル採用は、裏を返せば
大学で学んだ事が身に付いていなくても通れてしまうという側面も持っています。
専門学校の就職活動は非常に現実的です。
学校側が業界と強く結びついており、
求人票もこの資格を持つ人向け、この技能が前提!と明確です。
学生側も、
2年間で資格を取り、
そのまま業界に入る
という前提で動きます。
美容、IT、調理、医療、福祉など、特定分野では就職率が非常に高く、即戦力として評価されます。
また、大卒より2年早く社会に出られるため、早期に収入を得られます。
一方で、業界依存度が高いのが現実です。
その分野が不況になった場合、他業界への転換は簡単ではありません。
また、一部の企業では、管理職登用が大卒以上に限定されるケースもあり、
キャリアの天井が見えやすい点は否定できません。
高卒就職は、学校主導で行われます。
求人票は学校に届き、生徒は原則 一人一社制で応募します。
これは、生徒を守る制度である一方、選択肢を極端に狭める制度でもあります。
18歳から働けるため、
20代前半で既に4年以上の実務経験を積めます。
現場では、若くしてリーダーになる例も珍しくありません。
進学費用がかからず、早期に経済的自立が可能なのも大きな強みです。
生涯賃金では、大卒との差が明確に出ます。
男性の場合、約6,000万円の差が生じるというデータもあります。
また、企画職・管理職・戦略系職種では
大卒以上を条件とする求人が多く、そもそも応募できない仕事が存在する
これが最大の制約です。
中卒の正社員求人は、2026年現在も極めて限定的です。
建設、製造、職人系の現場が中心となります。
体で覚える世界では、早く始めることが圧倒的な武器になります。
職人の世界では、15歳からの経験が将来を左右します。
正社員求人の多くが高卒以上や大学卒業以上を条件としており、
選択肢は極端に狭くなります。
また、多くの国家資格や公務員試験で受験資格の壁があり、
生涯賃金も高卒よりさらに低くなる傾向があります。