教室ブログ

2025.12.10

アメリカの奨学金ローン問題について

アメリカの奨学金の規模

今日は、アメリカの奨学金ローン問題について書いてみたいと思います。
最近いろいろ調べてみたのですが、やはりアメリカの奨学金問題は規模が大きく、想像以上に深刻だと感じました。

アメリカには学生ローンを抱えている人が何千万人もいて、トータルの借金額は一兆ドルを超えるとも言われています。

日本のそれとは桁が違い、卒業後も返済に苦しんでいる人も数多く、

返済不能に陥っている若者も増加傾向にあるのがアメリカの実態です。

学びたい気持ちはある。人生をよくしたいと願う。
でも、その願いの裏側に、返しても返しても終わらない借金が残ってしまう。
その状態が何年も続くというあまりに厳しい現実です。

アメリカの大学の学費

なぜこんなことになっているのか。
一つは、アメリカの大学の学費がとても高いことにあります。

日本の国公立大学なら、年間の学費は五十万から九十万円ぐらい。
私立でも百万円台が一般的です。
もちろん受験費用や教材費、塾代など、家庭にとって大きな負担になる場面はありますが、

それでも、ギリギリ想像できる範囲にありますよね。

ところがアメリカはどうでしょう。州立大学では日本の私立並みの学費。
私立大学になると年間の授業料は六百万円を超えることも珍しくありません。
寮費や教材費を合わせれば、年間一千万円近くになる学生もいます。
もう生活が丸ごと学費に飲み込まれる感覚です。

一般的な日本の家庭からのイメージではアメリカの大学の学費は超高額ですよね

学費が高い理由

ここで、一つ気づきがあります。
学費は授業料の話だけではないということです。
大学とは、単に授業を提供する場所ではなく、研究機関であり、投資機関であり、

世界から教授を呼び寄せ、先端研究を続ける場です。

アメリカの大学は日本の大学以上にそれが顕著なのではないでしょうか。
そのために膨大なお金が必要になる。そう考えると、学費が高額になる理由が見えてきます。

アメリカの大学はブランド戦略も強烈です。
学費を安くしない。高くしてこそブランド価値が上がるという発想が根づいています。
高額であっても、世界中から優秀な学生を集める事ができる。

卒業生が高所得になり、大学に寄付金が戻ってくる。

この循環は、大学という場所が社会的ネットワークを生む装置である証拠です。

普通の家庭でも大学に通えるの?

世界中のお金持ちがアメリカに留学する理由は、教育そのものではないのかもしれません。
教育の先にある社会的価値、就職、研究、地位、将来のキャッシュフロー。
そういったものを買っていると考えたほうが近いのかもしれません。

ただし、その裏側があります。
裕福な家庭であれば、返済に苦しまなくて済む。
学費を無借金で払える家庭も少なくありません。
一方、普通の家庭は、将来の収入を見越して奨学金を借りて大学に進みます。

しかし返済が長期化すると、結婚が遅れ、家が買えず、子育てが難しくなり、将来の不安が増えていきます。
信用スコアも下がり、社会的な選択肢が閉ざされていく。
教育が人生を切り開くはずなのに、逆に人生を狭めてしまう。悔しさすら感じているでしょう。

日本の奨学金制度にも問題がありますが、アメリカほど深刻ではありません。
ただ、日本でも非正規雇用や低所得、教育費負担が増えているため、

今後、同じような社会的リスクが起きないとは言い切れません。

勉強して知識を付けているのに、格差は生まれる

世界の受験問題や社会問題を見つめて、気づいたことがあります。
どれだけ受験で努力しても、どれだけ大学で知識を身につけても、

学校教育では格差は埋まらないという事に気付きました。

むしろ、教育機関で勉強するほど、借金や不安に巻き込まれる可能性もある。
教育そのものは素晴らしいですが、教育が完全な救いになるとは限りません。

だから必要なのは、勉強とは別に、もう一つの力です。
自分の頭で考える力です。制度を理解する力。
格差に巻き込まれないために、自分を守る知恵。

そして子どもたちにも、その力を身につけて欲しいと感じます。

勉強は人生の武器になる。でも、勉強だけでは人生は守れない。
この現実をきちんと受け止め、子どもたちには、未来に対して選択できる力を養って欲しいと思います。

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