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2025.12.09

【番外前編】二松學舎附属柏中学・高校へ行ってみた!!

こんにちは、初石駅前校です。
 
令和7年6月18日、二松學舎大学附属柏中学校の塾対象説明会に参加してきました。創立148周年を迎える伝統校が、論語教育を軸に独自の探究学習を展開している様子に、大変興味深いものがありました。
 
今回の説明会では、教務部長自らが「受験学力と真の学力は同じ」と語り、大学入試で求められる力と学校がつけたい力を一致させる教育方針が印象的でした。流山市、柏市から通学する生徒も多く、柏駅から無料スクールバス16台を運行している充実した環境も魅力です。
 

📖 目次

 
二松学舍柏中学校・高等学校校舎表の画像

説明会概要と学校基本情報

説明会の実施内容

令和7年6月18日(水)、10時から11時30分まで、二松學舎大学附属柏中学校にて塾対象説明会が開催されました。校長の七五三和男先生、副校長の島田達彦先生のご挨拶に続き、教務部長から詳細な説明がありました。
 

学校の規模と立地

全校生徒数は中高合わせて約1,140名。敷地は東京ドーム複数個分という広大なキャンパスで、手賀沼まで約300メートルという自然豊かな環境にあります。柏駅から無料スクールバス16台が運行されており、約15分で到着できる利便性も大きな魅力です。
 
特徴的なのは、チャイムがない学校生活です。生徒が自主的に時間を管理することで、主体性を育てる仕組みが徹底されています。

148年の伝統と論語教育の独自性

創立者・三島中州の先見性

二松學舎は明治10年(1877年)、三島中州によって創立されました。三島中州は岡山県倉敷出身で、日本でいち早く洋楽を正規授業として導入したり、黒船来航時に『短編日誌』を作成・配布して海外進出の必要性を説いたりと、時代の先を見据えた教育者でした。
 
渋沢栄一とも友人関係にあり、その「義利合一論」にも影響を与えたと言われています。また、夏目漱石が創立講師として通学したり、嘉納治五郎が「自他共栄」の思想を学んだりと、著名な門下生を多数輩出しました。
 

建学の精神と現代への継承

創立者の塾則には「学問で自分の身を修めた上で、人を修めて社会に有用な人物になるためにある。詩歌や文章を暗記する一儒学者になることではない。仁義道徳を基本とすることが重要」という精神が込められています。
 
この精神は、55年前から教室に掲げられている「主体性(自ら学ぶ力)」「人間性(他者理解・協働力)」「国際性(グローバル発想力)」という3つの柱として、現代に受け継がれています。
 

全国唯一の本格的論語教育

週1時間×3年間の探究授業

二松學舎の論語教育は、総合的な探究の時間として週1時間、3年間にわたって実施されます。オリジナル教材『論語探究』を使用し、全国で唯一、論語を本格的に探究する中学校として知られています。
 

対話型授業の実践

例えば「己の欲せざるところは人に施すことなかれ」という有名な言葉も、原文から学び、書き下し文の基礎知識を習得した上で、生徒自身で読み解く力を育てます。
 
授業では「自分がされて嫌なことと、他の人がされて嫌なことは同じか違うか?」といった本質的な問いを投げかけ、グループディスカッションを通じて深く考えます。教師が一方的に教えるのではなく、生徒自身が学び取る学びへの転換を徹底しています。
 

大学入試でも成果

令和6年度の共通テスト漢文(第5問)では論語が出題され、生徒から「できたよ先生、二松學舎に通ってやっぱりよかった」という声が上がりました。教務部長は「大学入試で求められる力と、二松學舎がつけさせたい力は同じ。受験を通じて真の学力がつけば、それは将来に役立つ」と語り、受験学力と学校で教える学力を分けて考えない姿勢を示しました。

令和8年度からの新設・変更点

グローバル探究室の新設

令和8年度から、教務部内に「グローバル探究室」が設置されます。これは中学1年から高校3年まで6年間一貫して、グローバル活動と探究学習を統合的にマネジメントする組織です。
 
室長には、12年間学年主任として中1から高3まで全学年を担当した経験を持つモリ先生が就任します。令和6年度には日本私学教育研究所の委託研究員(千葉県唯一)にも選ばれており、探究学習の専門家として期待されています。
 

高等学校コース制の変更

進学コースの廃止

中学校からの内部進学生が100名以上に達したため、従来の進学コースを廃止します。
 

新4コース制の導入

令和8年度から、以下の4コース制に移行します。
 
スーパー特進コース(中入・高入混合): 難関国公立大学を目指すコースです。
 
特別進学コース(中入・高入混合): GMARCH以上の大学を目指します。
 
人文探究コース(主に中入生): 文系学問を深く探究するコースです。
 
自然科学探究コース(主に中入生): 理系学問を専門的に学びます。
 
なお、令和7年度高1生までは進学コース在籍のため、過渡期として5コース制が併存します。

全国で評価される探究学習「沼の教室」

手賀沼を活用した4つの探究プロジェクト

二松學舎の探究学習は「沼の教室」と呼ばれ、学校から300メートルの距離にある手賀沼を舞台に、4つの分野で展開されています。
 

文学探究: 志賀直哉『流行感冒』

志賀直哉の小説『流行感冒』を教材化し、100年前の我孫子を探るプロジェクトです。昭和2年の地図と現在を比較し、白樺文学館と連携してフィールドワークを実施しました。
 
生徒たちは小説から7から8箇所の地名を特定し、現存する遺構(伊東養蚕場、三礼筒、蚕の繭を用いた車止めなど)を発見しました。ある生徒は「自分の街を歩くだけでも豊かな気持ちになれるようになった」と感想を述べています。
 

歴史探究: 100年前のパンデミック比較

スペイン風邪(1918年)と新型コロナ(2020年)を比較する探究です。毎日新聞の「マイサク」検索システムを活用し、1800年代後半からの新聞記事を比較分析しました。
 
当時の治療法として「ミルクキャラメルが薬として紹介されていた」という発見があり、科学・医学の大幅な進歩を実感する一方で、社会的問題が100年後も継続していることに気づきました。
 
驚くべきことに、令和7年の共通テスト歴史総合でこのミルクキャラメルの記事が出題されました。教務部長は「子どもたちとやった探究活動がそのまま共通テスト出題。我々がやっていること間違いなかった」とコメントしています。
 

理学探究: 手賀沼水質調査

約40年前、27年間日本一汚れた沼だった手賀沼の水質を、上流から下流まで5地点でCOD測定する調査です。ペットボトルで採水し、視覚的に比較するとともに、季節変動や地域差を記録しています。
 
さらに海外研修先や全国各地との比較データも収集し、40年前と比較して大幅に改善したものの、全国比較では改善の余地があることを確認しました。
 
環境保全活動として、サップ(SUP)によるゴミ拾いも実施し、予想以上の大量ゴミに生徒・教員が環境問題を実感しました。
 

生物探究: 野鳥生態調査

手賀沼には年間100種以上の渡り鳥が飛来します。生徒たちは週数回の校内野鳥観察を行い、約1年半で30種類(手賀沼周辺57種の半数以上)を確認しました。鳴き声マップを作成し、ツバメやカラスの営巣も観察しています。
 
さらに生徒が設計・製作・設置した巣箱10箇所を調査し、シジュウカラの営巣に成功しました。巣材を分析すると化学繊維や人毛が使用されており、人の出入りが多い場所を選択していることが判明しました。
 
この調査により、約1,300人が生活する学校施設と野鳥が共存していることを実証しました。
 

全国大会での受賞実績

これらの探究学習は2022年から2024年にかけて、毎年全国大会で上位入賞を果たしています。中入生と高入生の混成チームで成果を出しており、唯一無二の探究学習として全国的に評価されています。

カリキュラムと進路実績

3つの転換を軸にした教育

二松學舎のカリキュラムは、「教わる学び」から「自ら学ぶ学び」への転換を目指しています。生徒が自分で自分を育て、主体的な学校生活を実現することが基本方針です。
 
具体例として、ノーチャイム制度による自主的時間管理や、スクールバッグの生徒主体選定などがあります。
 

オールインワンフォローアップ体制

中学校では、以下のような学習支援システムが整っています。
 
小テストや定期考査での振り返りを徹底し、放課後補習指導も充実しています。365ノートという毎日の家庭学習記録を活用し、天声人語などの新聞コラム読み合わせ、1分間スピーチ(ホームルーム)なども実施しています。
 
これにより、中入生は探究基礎力の定着、プレゼンテーション力、臆せず発表・調査する力を身につけます。
 

中入生と高入生の融合

高等学校では「境なく切磋琢磨」を理念に、中入生と高入生が共に学びます。高入生はハイレベルな受験学力と基礎学力の定着という強みを持ち、中入生は探究力とプレゼンテーション力に優れています。
 
お互いの長所を生かし合うことで、相乗効果が生まれ、学問探究へのフォーカスが可能になります。
 

45分授業の導入

令和8年度から45分授業を導入します。これは目的ではなく手段として活用し、7時間目の選択科目充実、部活動の探究学習化、教員の授業改善時間確保を狙いとしています。
 
文部科学省の中教審が示す「標準授業時数の弾力化」に沿った取り組みで、余白時間の創出による教育の質向上を目指します。
 

スーパー特進コースの進路実績

教務部長が直接指導するスーパー特進コース(3-1・3-2)では、生徒が自問自答を通じて学習力を身につけ、自分で自分を育てる力を発揮しています。教え合う温かい心を持ち、中入生と高入生が協働して学んでいます。
 
その結果、難関大学への現役合格を果たし、探究活動を活かした総合型選抜でも成果を出しています。学年の1割から2割がGMARCH以上に進学しています。
 

後延び学習の重視

二松學舎は先取り学習ではなく、卒業後も伸び続ける力を育てることを重視しています。どんな社会でも羽ばたける適応力、生涯学習者としての基盤、自問自答し続ける姿勢を目標に掲げています。

入試情報と今後のイベント

求める生徒像

二松學舎が求めているのは「一緒に学校を作る仲間」です。探究心を持ち、主体的に学び、他者と協働できる生徒を歓迎しています。
 
説明会では「このような学校であればこの生徒が伸びるのではないかと思った生徒さんがいらっしゃいましたら、ぜひ送っていただいて、先生方と生徒さんと一緒に二松學舎を作っていきたい。ぜひ先生方の力を貸してください」というメッセージが印象的でした。
 

次期学習指導要領への対応

次期学習指導要領では、AI、探究、ウェルビーイング(幸福な生き方)の3つがキーワードになると予想されています。
 
教務部長からは「AIは児童生徒の探究する力とウェルビーイングを本当に損なわないのか?」という問いかけがあり、都立学校のAI導入方針への疑問が提示されました。「先生方なら塾でAIを取り入れますか? 自分のお子さんには?」という投げかけは、生徒の真の成長を第一に考える姿勢の表れです。
 

施設見学と個別相談

説明会後には、希望者を対象に授業見学が実施されました。通常授業の様子や施設を直接見学できる貴重な機会です。
 
個別相談も随時受け付けており、学校へ直接お問い合わせいただけます。お問い合わせ先は、二松學舎大学附属柏中学校入試広報部(担当: ウエムラ)となっています。

まとめ

二松學舎大学附属柏中学校は、148年の伝統を持つ論語教育を軸に、現代社会が求める探究力、主体性、協働力を育てる独自の教育を展開しています。
 
特に「沼の教室」と呼ばれる探究学習は全国的に高く評価され、大学入試でも成果を出しています。教務部長が「受験学力と真の学力は同じ」と語るように、受験を通じて将来に役立つ力をつけることを目指しています。
 
令和8年度からはグローバル探究室の新設、高等学校コース制の変更、45分授業の導入など、さらなる教育の質向上に取り組みます。
 
流山市、柏市からも多くの生徒が通学しており、柏駅から無料スクールバス16台が運行される充実した環境も魅力です。探究心を持ち、主体的に学びたいお子様にとって、理想的な学びの場と言えるでしょう。
 
2027年には創立150周年を迎える二松學舎。変わらない理念と時代に応じた解釈で、今後もさらに発展していくことが期待されます。
 

塾長より

 

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