教室ブログ

2025.12.01

地域コミュニティの喪失

帰る地域はどこにある?

私は神奈川県川崎市の出身ですが、今の生活の場は大阪です。
これまで人生で七回の引っ越しを経験し、長く住んだ場所もあれば、短い期間だけ生活した場所もあります。
その過程で、実家も引っ越しをしてしまい、昔のように、子供の頃生活していた地域は私にとって帰る場所では無くなってしまいました。

子どもの頃は、顔見知りの大人がいて、友達も多くて、地域の中で自然につながりができていました。
高校生までは家の周りに知っている人がたくさんいて、あの頃の地元という温かさが確かにありました。

しかし大人になり、新しい生活を求めてさまざまな地域へ移り住むうちに、
地元の感覚は少しずつ薄れ、やがて帰る地元そのものが私から遠のいていってしまいました。
実家が別の場所へ移ったことで、思い出の詰まった街に帰ることすらほとんどなくなってしまったのです。

■ 日曜日のドッジボール大会で気づいたこと

先日、息子のドッジボール大会の付き添いで地域のイベントに参加しました。
そこで一番驚いたのは、地元出身の親御さんたちの振る舞いでした。
多くの人と自然に言葉を交わし、子どもたちの様子を温かく見守り、
地域の中心に立つように行動している姿がありました。

その様子を見て、私は久しぶりに地域の力を感じました。
同時に、自分は地元を離れて長く、その感覚を失っていたことにも気づきました。

私は大阪のこの地域に15年ほど居ますが、知り合いも多くはありません。
だからこそ、余計に感じたのかもしれません。
この人たちは地域を自分の場所として育てているのだと。

そして、私達のような他の地域から来た家族を迎え入れてくれる暖かい場所にしようとしてくれてるのではないかと。

強く感じました。

■ 地域コミュニティが失われていく時代に

現代の日本では、人の移動が増え、核家族が当たり前になり、
地域のつながりが弱くなる傾向が強くなっています。

誰もが忙しく、家族単位で生きるようになり、
周りの人とのつながりを持つ余裕がなくなっていると言われています。
地域の行事も減り、子どもたちが外で自由に遊ぶ空間も減り、
大人も子どもも地域の中での関係性を失っていきます。

私自身もその一部でしたので痛感しています。
地元から離れ、さらに実家も引っ越し、
本当の意味で帰れる地域を持たないまま、新しい地域で生活している。

そんな自分だからこそ、地域コミュニティの喪失がどれほど深刻か、胸にしみます。

■ 新しい地域を「育てていく」という視点

今回のドッジボール大会で、私は一つの気づきを得ました。

それは、地元が無くなったのなら、今いる場所を自分の地元に育てていけばいいということです。

そのために大げさなことをする必要はありません。

知らない親御さんに挨拶する。子どもたちと一緒に遊ぶ。公園で出会った人と小さく会話する。自分が何者かを少しずつ伝える。

きっとそんな積み重ねが、地域の一員になる架け橋になるのではないかと思ったのです。

昔のような、本当の地元のような自然発生的なコミュニティは、今はすぐには作れません。
だからこそ、このような時代だからこそ自分から動く必要があると感じたのです。
私も地域に溶け込むことに抵抗がまだまだあります。家でゆっくりのんびりしたい。

知らない人達と会話するより家族だけていた方が楽だしな~💦。そんな気持ちも抱えています。
しかし、地域の“その場所”に足を踏み出すだけで、世界が少しずつ変わっていくという希望を先日感じたのです。

帰る地元が遠のいてしまった事は少し寂しいですが、
その代わりに、今の地域で新たなつながりを作れるチャンスがあります。

子どもたちを見守る大人が増えることで、
子どもたちの世界も豊かになり、
地域全体が少しずつ温かくなっていく。

今回の経験をきっかけに、
私はこの地域で我々の居場所に育てていきたいと思います。

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