教室ブログ

2025.11.28

奨学金問題について

奨学金問題

今日は、奨学金の話をしたいと思います。
日々、生徒や保護者の方と話していると、進路の悩みは山ほどありますね。

その中でも、学費や奨学金は避けて通れない悩みかもしれません。

大学に進学した人の半分ほどが、何かしらの奨学金を利用していると言われています。
数字だけ見ると、そんなに多いのか!と驚くかもしれません。

卒業して、社会に出る。働く。給料は思うほど上がらない。生活はそこそこ厳しい。
そんな中で毎月の返済が続く。
これが、じわじわ効いてくるんですね。

結婚が遠のいたり。
子育てが不安になったり。

まずは自分の安定が第一なり、

将来への一歩を踏み出しにくくなる。
返済の重さが人生まで揺らしてしまう。

奨学金を得ている人達の8割が、返済が負担になっているようです。

中には、学費を自分で支払をしているからこそ、学業に力が入るという意見も聞きます。

奨学金は大きく二つ。

ひとつは、返さなくていい給付型。
努力や家庭の状況によって支給されるもので、本当の意味での支援です。

もうひとつは、貸与型。
これは簡単に言えばローンです。
住宅ローンや車のローンと仕組みは同じ。
利息がつきます。返済が必要です。
学費を払うための借金、と言ったほうが実態に近いと思います。

ここが奨学金問題の核心でしょう。

学費はどれくらいかかるのか

 

理系ならおおよそ年間150万円。
文系なら100万円ほど。

大学の学費は、じりじりと上がってきています。

4年間で計算すると、普通に大きな金額ですよね。

国公立でも年間50万円以上。
私立よりは負担が軽いものの、それでも決して小さくありません。

だから、奨学金なしで進学するのが難しい家庭は、本当に多い。

それでも大学に行く理由

中学生や高校生と話していると、大学に行く動機がはっきりしていない子も少なくありません。

やりたいことがあるから行きたい。
これはわかる。

でも、
なんとなくみんな行くから。
安定した就職のために行ったほうがいいから。
4年間考える時間がほしいから。

こういう理由も実際多いです。

別に悪いことではありませんし、私も同じでしたのでまったく否定はできません。

大学進学は自己投資になるのか?

もし自分が今、高校生に戻って進路を考えるとしたら。
大学は、自分への投資と考えます。

例えば理系なら600万円。
文系なら400万円。

その金額分のスキルや経験を、ちゃんと自分に積めるのかどうか。
ここを一度立ち止まって考えることは、大切だと思います。

自己投資にならないなら、無理に進学をしなくてもいいのではないでしょうか。

もちろん、学びたい気持ちがあるなら進学すべきです。
知識、人脈、経験。大学には確かに価値があるのではないでしょうか。

ただ、奨学金を使う場合は、
自分の未来にその価値がちゃんとつながるのか。
これは考えておくべきポイントではないでしょうか。

進路で悩む生徒へ

経済的な余裕がある家庭ばかりではありません。
むしろそうでない家庭のほうが多いかもしれません。

だからこそ、進路の相談は希望だけでなく、お金の問題も一緒に考える必要があります。

将来につながる選択か。
無理のない返済か。
自分が学ぶべき事は何か。

そのうえで進学するなら、きっと意味のある4年間になるはずです。

奨学金問題は、ただの制度の話ではありません。
その子、その家庭、学校、日本全体の問題の話でもあります。

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