こんにちは。個別指導WAM堺市駅前校です。
2008年。世界も日本も、大きく揺れていました。
経済も、人の心も、私も。
あの頃も今と変わらず未来なんてものは想像ができなかったですね。
あの頃の空気は、今でもなんとなく覚えています。
アメリカの住宅バブルが崩壊し、サブプライムローンという言葉が連日ニュースで流れていました。
正直、当時の私には詳しい仕組みはわかりませんでした。
ただ、恐ろしいローンが組まれているということだけは伝わってきました。
リーマン・ブラザーズの破綻。株価の暴落。
ニュースの映像が現実とは思えないほどの衝撃でした。
当時私は30歳。
勤めていた会社の業績にも影響が出て、社内には不安な空気が漂っていました。
同僚の配置転換、経費削減、沈黙の時間。仕事の効率化。
経済のニュースが、対岸の火事ではなく、自分の現実として感じられた年でした。
人間は、数字や理屈よりも空気や噂で不安を感じる。
そのことを、身をもって知った一年だったと思います。
6月、東京・秋葉原で起きた通り魔事件。
7人の命が奪われ、多くの人が負傷しました。
犯人は孤独を抱え、ネット掲示板に心情を吐き出していたと報じられました。
この事件には、現代社会の影を見た気がします。
現在の私が考えている事。当時の私がなんとなく感じていた事です。
孤立。孤独。疎外。
社会とつながれない人がドンドン製造されていく時代。
人は誰かに理解されたい。
話を聞いてもらいたい。
でもそれが叶わないとき、心は少しずつ壊れていくんですね。
家庭でも、職場でも、学校でも、
話を聞いてもらえる場所があることが、どれだけ大事なことか。
この事件の事をあらためて考える今。そう強く感じます。
2008年の音楽シーンでは、GReeeeNのキセキが大ヒット。
嵐も勢いがあり、若者たちの文化がどんどん変わっていきました。
当時の私は30歳。もはや若者ではない私。
気づけば、若い人たちの流行についていけない。
若い世代の価値観が、分からない!ついていけない!と思ったとき、
人は少し距離を置いてしまうものですね。
でも今なら分かります。
それは分からないのではなく、知ろうとしていなかった。だけ。
今の我々も生徒たちの考え方や感性を知ろうとすること。
それが、教育の第一歩なんだと思います。
あの年の混乱も、不安も、悲しみも、
すべてが今の社会を形づくる一部になりましたね。
不景気の時代に働く苦しさ。
人とのつながりの大切さ。
そして、時代に置いていかれそうになる焦り。
あの経験があるからこそ、今もなんとか頑張っていられるのかもしれません。
保護者、講師、生徒の笑顔の裏にある不安にも、耳を傾けたいと思います。