
以前通っていた生徒のお話です。
その生徒は学校に通えない時期が1年くらいありました。
少しずつ学校に通えるようにもなってきて、
通学できなかった期間の勉強を取り戻すために、
とある個別指導塾に入塾しました。
科目は英語・数学を受講していたそうです。
しかし、その塾での授業は今の学年のテキストを渡して、
とりあえず問題を解かせて、質問があれば講師に聞くスタイルだったそうです。
この指導方法は少なくとも2つ間違いがあります。
1つは空白期間が長いのにいきなり現学年のテキストを渡したこと。
特に英語と数学は積み上げの科目と言われているのに、
空白期間の復習から始めないとわかるわけがありません。
そして2つめは、いきなり問題を解かせたこと。
当然解説もなく問題をさせても解けるはずがありません。
空白期間の知識が抜けているのに質問しても
解説がわかるわけがありません。
結局、その生徒は半年も経たずに退塾したそうです。
私たちがお預かりしてからは、まず空白期間の復習から始めました。
最初に生徒と保護者の方に学校の成績はすぐに上がらないと
お断りしたうえでスタートしました。
それでもその生徒は努力家だったので、
時間はかかったけど学校の進度に追いつくことができました。
個別指導ならその生徒に合わせてカリキュラムや進捗を
調整することが可能なはずです。
しかし、上記のような個別指導塾はけっこう多いようです。
結局、不登校や学習に遅れが出ている生徒が入塾しても
どう指導すればいいのかわからないのだと思います。
ちなみに上記のような生徒は私たちの塾では1学年に1人くらいはいます。
正直、私たちも”不登校の生徒はこうすればいい”という正解はわかりません。
結局は生徒によって指導方法はまちまちだからです。
ある程度このように指導しようというベースは持っているので、
生徒によってマイナーチェンジを繰り返していくようにしています。
それができるのが個別指導塾であり、
それこそが個別指導塾の存在意義ではないのかと思っています。