教室ブログ

2023.03.15

【桜蔭】国語5年分講評ー2 2021年度

【2021 概観】

 

相変わらず大学受験レベルの文字数で、

見直しや書き直しの時間はない。

まずは「時間無制限なら完答出来るか」

に挑戦すべきかもしれない。

 

評論文。

「固定観念(レッテル)からの解放」、

「試行錯誤の中で得意を見つけろ」、

と、テーマはベタだが、

果たして小学生にとってもベタか。

「問題提起(常識)を作者が覆す」、

「具体⇒抽象(主張)の繰り返し」、の

「評論文あるある構造」も見えたか。

論理展開が明快な、良質な評論文の

トレーニングを地道に重ねるしかない。

そしてありきたりなコメントだが、

圧倒的な読書量を通じ、

速読力を身に着けるしかない。

そして大学受験の小論文のような

学習を通じ、

最低限の現代社会の諸問題に関する

テーマ知識もあるとなおよし。

勿論、語彙力増強も。

 

小説。

「馬が合わない子はどうしてもいる」

と、ひとつの理想主義から解放され、

「良い意味で諦める」ことを知り、

子供が一段階大人に近付く課程を、

コテコテの関西弁や、

「こんな子周りにいるよね」

と思わせるキャラを通じ読ませる、

素晴らしい名文、桜蔭万歳。

評論文より文章が長いので、

読むスピードのメリハリが必要。

やはりふだんから

学校の図書館などに入り浸り、

ライトノベルシリーズなどを読み漁る

「本の虫」みたいな子が強い、

いやむしろそんな子でないと

桜蔭の国語は大変厳しい。

 

記述は、今回も東大を参考に、

デカマスは120字以内、

ふつうマスは80字以内で作成した。

 

 

 

【2021】 20分 やや難

 

 

<問二 理由説明> やや難

ポイント:

論証の補強・具体例としての「雑草」

 

雑草は人間とは異なり、

勝手に作り出したルールや

「こうあるべきだ」という

幻想に縛られずそこから

自由に生きているという点で、

「らしさ」を捨て、

「本当の自分」らしさ

を獲得出来ている

象徴的な存在のように思え、

痛快でうらやましいから。

 

 

<問三 全体要旨> やや難

ポイント:

「戦わずして勝つ」ための方法論

 

無理に苦手分野で勝負しようとせず、

しかしすぐ諦めて「これが苦手」と

自分で自分にレッテル貼りせず

試行錯誤を重ね、

得意分野(オンリーワンのポジション)

を探せばよい。

 

 

<問四 内容説明> 標準

ポイント:

具体例は筆者の主張の補強のためにある

 

(X)

ゾウやキリン同様、

実はそんな単純な存在ではないのに、

複雑さを嫌う人間の脳により、

一面に過ぎないレッテルを

貼られてしまっている動物の例。

 

(Y)

ペンギンやアザラシ同様、

すぐに苦手だと決めて

捨ててしまわなかったお陰で、

自分の本当に得意なことに

気付くことが出来た動物の例。

 

 

 

【2021】

 

 

<問三 思考力(類比)> やや難

ポイント:

「月とスッポン」の例

柴犬=和風=ダサい=いもようかん

高級犬=洋風=カッコいい=?

ゆえに洋風の高級デザートが正解。

 

ティラミス

 

 

<問四 心情説明> 標準

ポイント:

ある出来事⇒心情の変化

 

水穂は真紀ちゃんと、

これまでかろうじで

ギリギリの関係性を保ってきたが、

ついに真紀ちゃんが

水穂に厳しい言葉を

投げかけたことがきっかけで、

水穂はうろたえてしまい、

水穂の真紀ちゃんへの気持ちが

「苦手」から「嫌い」に

決定的に傾いてしまったから。

 

 

<問五 心情説明> 標準

ポイント:

ある出来事⇒心情の変化

 

今まで真紀ちゃんの

良いところを何とか見つけ、

何とか好きに「ならなければ」

という思いに苦しんできた水穂だが、

ミーヤンから受けた

「馬が合わない」という

きっぱりとした助言をきっかけに、

「それなら仕方ない」と開き直れ、

悩みから解放されたから。

 

 

<問六 心情説明> やや難

ポイント:

「読点の打ち方」=着実に確実に

 

「自分と真紀ちゃんは

『馬が合わない』から

仲良くなれなくても仕方がない」

というミーヤンからもらった

「魔法の言葉」を繰り返し繰り返し

心の中で念じるたびに、

着実に悩みが解消されていき、

気持ちが楽になっていく

水穂の様子がわかる。

 

 

<問七 理由説明> やや難

ポイント:

実は犬じゃなく自分に話しかけている

 

犬のタロに言い聞かせているという

形を借りて、

実は水穂は自分自身に問いかけており、

自分の「世の中にはどうしても

相性の合わない人がいて、

それは仕方のないことだ」

という思いを、

あらためて自分で自分に

納得させようとしているから。

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