教室ブログ

2018.05.31

知っておきたい教育者シリーズ②ロバート・J・ハヴィガースト

こんにちは、個別指導Wam庄内校の塩崎です。

 

新学年度もいよいよ本格的に指導してきましたね。中間テストを経てようやくフワフワしていた腰が据わってきたように思います。

 

皆さん結果に関しては各々感じる部分があるでしょうが、まずは結果から遡及的に自分の取り組みを見直すことが大切です。失敗を犯すのは仕方のないことですが、同じ失敗を何度も犯すのはあまりにも愚かなことです。

 

それでは今回も著名な教育者についてご紹介いたします。

 

 

 

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ハヴィガースト(Robert James Havighurst, 1900-1991)が提唱した発達課題とは、人間は生涯に渡り、各発達段階に応じた達成すべき課題を持っているという主張である。

 

彼によれば、それらの課題は個人の生涯の様々な時期に生ずるもので、課題を達成すれば幸福になりその後の課題も成功するが、失敗すれば不幸になり、その後の課題の達成も困難になってくるという。つまり、発達課題とは人間が健全で幸福に成長し生涯を過ごす為に達成すべき段階的課題なのである。

 

ハヴィガーストは、この概念が教育者にとって有用である理由として、二つの点を挙げている。

 

一つは学校における教育目標を発見し設定することを助ける点、もう一つは教育的努力をはらうべき時期を示す点である。

 

例えば、学校は発達課題を元にして教育目標を発見・設定することができるだろう。つまり、発達課題は学校の教育目標の達成を助けることができる。後者においては、コメニウスの教授学に見られるように、教育内容はそれぞれの発達段階に適して段階的に計画されるべきであるが、発達課題はそれぞれの教育内容の適時を示すことができる。

 

ハヴィガーストによれば、発達課題は「幼児期」、「児童期」、「青年期」、「壮年期」、「老年期」に分けて考えられる。そのうえで、彼はそれぞれの発達課題における具体的な課題を挙げている。

 

幼児期においては、歩行・食事・会話の学習や善悪の区別といった道徳性の学習がこれにあたり、母の愛や母との関係を通した学習が最も重要とされる。児童期においては、読み・書き・計算の基礎能力や道徳性の尺度を発達させることなどが挙げられ、ここでは子どもの活動が家庭から学校に移ったことが特徴であるとされる。

 

青年期では職業選択や結婚・家庭生活の準備をすること、市民として必要な知識と態度を発達させることが挙げられている。また、ハヴィガーストはこの過程で最も大切な課題は人生観を持つことであると考え、これらの達成における学校の役割を大いなるものであると述べている。壮年期の初期においては、子どもを育てること、職業に就くこと、市民的責任を負うことなどが挙げられ、従来軽視されていたこの時期(18~30歳)の教育の重要性を指摘した。

 

また壮年期中期では、生理的変化や年老いた両親への適応など、老いに関する発達課題が見受けられる。老年期においてはこれが更に発展し、肉体や健康の衰退や収入の減少、配偶者の死などに適応しながら、同じ年代の人々と明るく親密な関係を結ぶことなどが挙げられる。

 

以上のように、ハヴィガーストは人間には発達に応じた課題があると説いた。彼によると、発達課題の概念は教育における二つの反対理論、つまり、子どもが最もよく発展するには彼らを出来る限り自由に放任すべきであるという自由の理論と、子どもは社会によって課せられた束縛を通して責任ある価値ある成人にならねばならないという強制の理論、の中間領域を占めているという。

 

従って発達課題は、個人の欲求と社会の欲求の中間にあり、その両方の性質を有している。然るに、発達課題は人間の行動を教育の諸問題に結びつけたいと願う研究者にとって有用な概念なのである。

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