教室ブログ

2022.05.23

同訓異字について

こんにちは、個別指導Wam西取石校です。

前回、「同音異義語」についてお話ししましたので、今回はその延長線上で「同訓異字」についてお話しします。

 

訓読みが同じでも、漢字が異なるものを「同訓異字」といいます。そして、「回」、「海」、「開」のように、音読みが同じ読み方で漢字が異なるものが「同音異字」。そして、音読みが同じでも意味の違う2字以上の漢字熟語が「同音異義語」です。「貴社、汽車、記者、帰社」です。

 

さて、では、なぜ「同訓異字」というものが存在するのでしょうか。事情は「同音異義語」の場合と同じです。日本に文字というものがなく、中国の文字である「漢字」を自国の文字として採用したためです。中国語側に使い分けがあったにもかかわらず、日本語側に使い分けがなかったために同音異義語が生じたように、同訓異字も日本語側に使い分けがなかったために生じました。

 

中国語の発音にしたがった漢字の読みが「音読み」だとお話ししました。そして漢字が意味を表す文字、表意文字であったため、漢字が定着するにつれ、「クァ」と発音していた「花」という漢字は日本語でいうところの「はな」を指す語だとわかってきて、漢字を日本語に翻訳した読み「訓読み」が生まれました。

 

そして、例えば、重さをはかろうが、深さをはかろうが、時間をはかろうが、はたまた、自殺をはかろうが、日本語では全て「はかる」と表現していたのに対し、中国語では重さをはかる場合は「量」、深さをはかる場合は「測」、時間をはかる場合は「計」、自殺の場合は「図」と使い分けがあったため、「量・測・計・図」の漢字を全て「はかる」と「訓読み」したのです。(ちなみに会議にはかる場合は「諮る」、陰謀をはかる場合には「謀る」の字を用います。)

 

外国の文字を自国の文字として採用したため、「同音異義語」や「同訓異字」といった、学生諸君にとっては悩ましい問題が生じてしまいました。さらには、同じ「行」という漢字の音読みが「旅行(コウ)」、「行事(ギョウ)」、「行灯(アン)」と複数あるなど、漢字採用が日本語を難解なものにしたといえるかもしれません。しかし、難解で複雑であるということは、それほど奥深いということでもあり、そこに日本語の日本語たる特徴があるともいえます。「日本語と漢字」についての理解が少しは深まったでしょうか。

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