教室ブログ

2020.03.09

言葉づかいでお里が知れる

こんにちは。個別指導Wam小宮町校です。

 

新型コロナウイルス感染症に関する話題ばかりの昨今ですが,そんな中で時折耳にする言葉があります。

 

「感染症予防対策として……」

 

この言い方,おかしいと思いませんか?

「対策」とは何かに対してとる方策のことですから,「感染症予防」に対してそれを打ち破るべく方策を立てるという,生物兵器を使ったテロか何かになってしまいますね。これは「感染症対策」とするべきです。

同様に「防災対策」とか「防寒対策」など,誤った言い方が広く使われています。

 

また,こんな言い方も,最近よく耳にします。

 

「自分事としてとらえ……」

 

「他人事」という言葉はありますが,「自分事」などという言葉はありません。

いや,そもそも「たにんごと」という言葉もないのです。

本来は「ひとごと」という言葉なのですが,漢字で書くと「人事」となってしまい,「じんじ」と紛らわしくなります。そこで,声に出して言う時には「ひとごと」,文字で書く時には「他人事」,と使い分けるようになったのです。

いずれにしても,「ひとごと」の対義語は「自らのこと」と言うべきでしょうね。

 

さらには,企業の研修などで「他己紹介」などという奇妙な表現が使われることもあります。

パートナーとなった人のことを他のメンバーに紹介する,という企画なのですが,言うまでもなく「他己」という言葉はありません。

「他」と「己」は正反対の意味を持つ漢字です。対義語を組み合わせた熟語は,その双方を「○と×」というふうに並べた意味を表すものです。「勝敗」は「勝ちと負け」,「父母」は「父と母」,「自他」は「自分と他者」といった具合です。

したがって,百歩譲って「他己」という言葉を認めたとしても,その意味は「他者と自己」ということになるはずですね。

 

言葉というものは,使う人の知識や教養を映す鏡です。

特に文章を書く際には,正しい言葉づかいを心がけていきたいものです。

 

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