教室ブログ

2019.10.05

漢詩の世界

こんにちは。個別指導Wam小宮町校です。

 

石川中学校の第2回定期考査が終わって1週間余りですが,3年生には,また新たな関門がやってくるようです。

国語の授業で扱われる,『おくのほそ道』『春暁』,そして『春望』について,暗唱のテストが行われるのです。

『おくのほそ道』は江戸時代の俳人である松尾芭蕉が著した紀行文ですが,『春暁』と『春望』は唐の時代の漢詩です。

 

 

春眠 暁を覚えず

処処に 啼鳥を聞く

夜来 風雨の声

花 落つること多少

 

この孟浩然の『春暁』は,今でもことに初句がよく引用されていますね。

 

 

国破れて 山河在り

城春にして 草木深し

時に感じては 花にも涙を濺ぎ

別れを恨んでは 鳥にも心を驚かす

烽火 三月に連なり

家書 万金に抵たる

白頭 掻けば更に短く

渾べて簪に勝へざらんと欲す

 

杜甫の『春望』は,『おくのほそ道』の平泉のところでも引用されていますが,人の世の無常と戦乱の悲惨さを表した傑作です。

 

漢詩は,声に出して読むと実に調子がよく,その情景や心情がより深く感じられます。

 

 

かつては東アジア共通の教養だった漢詩ですが,近年はあまり顧みられなくなってしまいました。

共通テストなどの求める学力観では,契約書などを読む実用的な国語力ばかりが重要視されているようですが,こういった文学的素養こそが人間性を高めるのではないかと思います。

 

 

故人 西のかた黄鶴楼を辞し

煙花三月 揚州に下る

孤帆の遠影 碧空に尽き

惟だ見る 長江の天際に流るるを

 

これも教科書にある,李白の『黄鶴楼にて孟浩然の広陵に之くを送る』です。

せつない……。

 

 

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