教室ブログ

2019.09.16

この度の台風15号により被害を受けられました皆様方に謹んでお見舞い申し上げます。 千葉県内では今でも停電や断水が続いてる地域もあります。 全ての地域の一日も早い復旧を、心よりお祈り申し上げます。

社会の授業で教えられた中国の人口削減策「一人っ子政策」。覚えてテストで解答すると点数がもらえました。

子供を作るのは一人だけという人口増加に対する政策だという事は教えられたけれど、実際それがどうやって実施されていたかなんて事は全く知らなかったですし、今迄知ろうともしなかったです。1979年から2015年までの36年間施行されていた事も知らなかった。恥ずかしい限りです。

2015年といったらほんの最近です。因みにその2015年に日本ではどんな事があったかというと、芥川賞をお笑い芸人の又吉直樹と松伏出身の作家羽田圭介が受賞、ラグビーW杯で日本が南アフリカに歴史的勝利、マイナンバー制度がスタート、テレビドラマでは「下町ロケット」が高視聴率を取り、AKB48「ハロウィンナイト」がヒットし、NHK朝ドラは土屋太鳳主演「まれ」、波留主演「あさが来た」大河は井上真央主演「花燃ゆ」、そんな年が2015年でした。

何故このような事を書いているかというと、最近あるドキュメンタリー映画を紹介されたのがきっかけです。日本公開はまだ決まっていないようです。ただアマゾンが配給していて、今迄アマゾン配給の映画が日本で公開されなかった事はないことから、きっと日本でも公開されると言われています。

「One Child Nation」というタイトルです。

監督は中国の田舎で生まれてアメリカの大学を出てドキュメンタリー映画を作っている1985年生まれのワン・ナンフー(Wang Nanfu)という人です。たった1人で中国に行って、自分でカメラを持って撮影をした映画です。

どうやって一人っ子政策は実施されていたのか。国の指示に従うという事が時として、とてつもない悲劇を生むという事を赤裸々に描いています。何をやったかここで書き記せば殆どの人が「どうしてそんな惨い事が出来たんだ?」と思う事でしょう。しかし国策の前ではそれは通用しない。当時を振り返ってそれがどんなに酷く悲惨な事であったとしても、やり続けた人は国の指示に従ったという事で表彰されたり勲章を貰ったりしたのです。つまり英雄になれたのです。

家庭に戻れば家族思いのとても優しい父親が、仕事に行けばユダヤ人をガス室に送り続けたというのも国の方針だったからです。オランダを訪ねた時、アンネフランクの隠れ家に行きました。日記の中にも出て来る、窓から見える小さな空以上に痛々しかったのは、狭い廊下の一角にポツンとあったトイレでした。彼女がいなくなって半世紀以上経って、同じ場所に当時のままあるトイレ。その前に立っている自分。訪れた時たまたま日本人は他にいなくて、周りは他の国の人ばかり。多分、ドイツや日本の敵国だった人達。時を経てそういう国の人達が一緒になって一人の少女について思いを馳せている。とても不思議な感覚を覚えました。オランダに行ってあの場所に立たなければ感じなかった感覚です。

話を戻して一人っ子政策。繰り返しになりますが、ほんの4年前まで存在していた事です。

歴史について、ただ暗記をするだけではなく、行ける機会が出来たらどんどん現地に行ってみる事です。ネットで調べるだけではなく、そこの空気を吸って下さい。自分でも思いもしなかった感覚に襲われることでしょう。意図していなかったことを目にして何かを感じ考えるきっかけになるかもしれません。覚えて、解答用紙に書いて、得点を貰う、それだけでは何も見えて来ないんだという事を「One Child Nation」の話を聞いて改めて実感しました。

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