教室ブログ

2019.04.25

黄金の比率④~フィボナッチ数列から1:1.618を導出しよう~

こんにちは

個別指導Wam曽野木校の小島です。

 

前回は、中学3年生までの知識を使い、

黄金長方形から黄金比1:1.618を導出しました。

 

今回は、高校の数学Bで習う漸化式を使い、

フィボナッチ数列というものから黄金比を導出してみます。

高校数学の知識が出てきますし、式変形は難しくなりますが、できるだけわかりやすく書きます。

 

今回も前回と同じく厳密な話ではありません。

 

 

さて、準備のために高校で習う数列について話しておきましょう。

 

 

数列というのは、例えば、

1 , 2 , 3 , 4 , 5 , …         ①

2 , 4 , 6 , 8 , 10 , …         ②

-10 , -20 , -35 , 51 , 1024 , …   ③

というように数を一列に並べたもののことです。

 

ここで問題。

上の数列はどういう数字の並びになっているでしょうか。

正解は下のほうにスクロールすると書いてあります。

 

 

 

 

 

 

 

正解は、

①は自然数を並べたもの

②は偶数を並べたもの

③は思いついた数をてきとうに並べたものです

みなさん正解できたでしょうか。

 

 

さて、冒頭でお話したフィボナッチ数列について説明していきます。

フィボナッチ数列というのは、1からスタートして、

1 , 1 , 2 , 3 , 5 , 8 , 13 , 21 , 34 , 55 , 89 , …

という並びの数列です。

この数列はどういう規則になっているでしょうか。

正解は下に書いてあります。

 

 

 

 

 

 

 

フィボナッチ数列の規則は、2つ前と1つ前の数字を足すと、その次の数字になるというものです。

例えば、最初の1と次の1を足すと、その次の2になっています( 1 + 1 = 2 )。

また、5番目の5と6番目の8を足すと、7番目の13になっています( 5 + 8 = 13 )。

このように、並んでいる2つの数字を足すと、次の数字になっています。

 

これを高校で習う漸化式で表すと、

となります。

nは1番目とか3番目とか、何番目かを表す数字です。

 

この数式は、n番目とn+1番目の数字を足すと、n+2番目の数字になるという意味で、

4番目と5番目の数字を足すと6番目の数字になるとか、

105番目と106番目の数字を足すと107番目の数字になるとかを、

まとめて一つの式で表しています。

 

 

数式で表すといきなり難しくなった気がしますが、

そんなものなんだなあ、ぐらいに思ってもらえれば大丈夫です。

 

例えば、a1は一番目の数を表していて、

フィボナッチ数列であればa1 = 1です。

同様にフィボナッチ数列で考えると、

a2 = 1

a3 = 2

a4 = 3

a5 = 5

ですし、

a2 + a3 = 1 + 2 = 3 = a4

となります。

 

 

 

さて、ここからこの式を変形していくので、話が少し難しくなります。

数学が苦手な方は、計算を飛ばして結論だけご覧ください。

この式の左辺と右辺を入れ替え、anとan+1の順番も入れ替えておきます。

そうしたら、両辺をan+1で割ってみましょう。

このとき、左辺は次の数と前の数の比になっていることに注意して下さい。

 

ここで、an+1 = an + an-1 なので、右辺の an+1 に代入すると、

となります。右辺の分数の分子と分母をanで割ってみましょう。すると、

 

 

 

 

となりました。

 

前にan+1 = an + an-1 を an+1 に代入したように、

今度はanに an = an-1 + an-2

を代入してみましょう。

 

 

 

 

 

このように、代入して割ってを繰り返していきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここで左辺の比をxと置いておきます。

 

 

 

 

すると、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

上の式の赤丸部分と緑丸部分を比べてみてください。

よく見ると、どちらも同じ形をしています。

 

ここで、右下の点の部分が無限に続いていくと考えると、

赤丸部分と緑丸部分は等しくなります。緑丸はxと等しいので、

緑丸 = 赤丸 = x

となり、上の式は

 

 

となります。どこかで見た形の式です。

そう、これは前回の黄金長方形から導出した2次方程式と同じものです。

 

これを解くと、

 

 

 

となって、+の方の解が1.618…となるのでした。

 

さて、長くかかりましたが、これで黄金比の導出は終わりです。

ここまで見ていただいて有難うございました。

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