教室ブログ

2018.09.19

つるかめ算と連立方程式

こんにちは。個別指導Wam 小宮町校です。

 

「1本60円の鉛筆と,1本150円のシャープペンシルを,合わせて10本買ったところ,代金は960円でした。それぞれ何本買いましたか。」

 

この問題,どう解きますか?

 

【その1】

仮に鉛筆だけを10本買ったとしたら

60×10=600(円)

実際の代金との差は

960-600=360(円)

シャープペンシルを買った分だけ高くなったわけです。

シャープペンシル1本の価格と鉛筆1本との価格との差は

150-60=90(円)

代金の差を1本当たりの価格の差で割れば,シャープペンシルの本数が求められます。

360÷90=4(本)

合わせて10本買っているので,その差が鉛筆の本数です。

10-4=6(本)

A, 鉛筆 6本,シャープペンシル 4本

 

【その2】

鉛筆の本数をx,シャープペンシルの本数をyとします。

鉛筆とシャープペンシルの本数は合わせて10本なので

x+y=10……①

鉛筆x本とシャープペンシルy本の代金が960円なので

60x+150y=960……②

①と②を連立方程式として,これを解くと

x=6,y=4

A,鉛筆 6本,シャープペンシル 4本

 

【その1】の解き方は「つるかめ算」と呼ばれます。中学受験の算数では,ごく基本的な解法です。

【その2】の解き方で用いる連立方程式は,中学2年生の数学で学習します。

 

方程式は,問題文の内容に合わせてとりあえず式を立ててしまえば,あとはそれを解いていくだけで解答に行きつくことができます。至極便利な道具です。

 

これに比べてつるかめ算は,「鉛筆を10本買ったとしたら」という発想の転換を要します。そして,全体の差を1つ当たりの差で割ると一方の数量が求められる,という点に着目する必要もあります。

 

もちろん,どちらの解き方がいいとか悪いとかいうことではありません。

中学生になって方程式を学ぶと,手間のかかることをしなくても済むようになる,とは言えます。

その分,発想や論理的思考をあまり問われなくなる,という見方もできます。

 

ここで,ふと思い当たります。

道具が作られ,機械化が進み,そしてITが発展する。そんな文明の進歩とともに失われていくものもある。

 

便利なことはよいことばかりではないのかもしれませんね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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