教室ブログ

2018.04.28

知っておきたい教育者シリーズ①ポール・ラングラン

こんにちは、庄内校 塩崎です。

やってきましたゴールデンウィーク。本日28日から教室は休暇のため休講となります。

授業再開は7日(月)からとなりますので、よろしくお願い致します。

 

教室はおかげさまで忙しい春が続いておりまして、中々ブログを更新できませんでした。

そんなとき用に(というと手抜き感出ますけど)、むかし僕が教育学の学習の際にまとめた簡単な文章を公開していきます。教育に携わっている人間にとっては常識レベルで知っている名だたる教育者たちなのですが、そうでない人にはあまり聞き覚えのない名前もあるかもしれません。ご参考までにどうぞ。それでは、僕は8連休を堪能して参ります。笑

 

 

 

 

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1965年にポール・ラングランが提唱した生涯教育の理念は、その後ハッチンズやフォールズらによって受け継がれてゆき、今日の生涯教育あるいは生涯学習という語に形容される教育理念の基礎として生き続けている。

 

彼は生涯教育を「永久教育」と名付け、それが必要となるに至った社会的理由として、現代が諸変化の著しさをその特徴とすること、人口の増加による地球規模での教育制度構築の必要性、社会の情報化などを挙げた。

 

ラングランは、これらの変化に対応する力を教育によって育成せねばならず、また変化によってもたらされた様々な、例えば科学技術の発展に伴って発生した余暇時間や生活スタイルの変化に伴う人間関係の見直しの必要性、といった事象を有効に活用しあるいは対応するためには、生涯に渡る教育が重要であると主張したのであった。

 

彼が提唱した生涯教育においては、旧教育において見られる受動的な学習姿勢ではなく、「独学」を主体として学習者自身が創造性を発揮しながら主体的に学んでいく姿勢が求められ、学習者の興味や関心に従って学習することの重要性を説いた。それに応えるために、学校や教育者は学習者のニーズに合った教育内容を提供するとともに、学習への動機づけを重んじなければならないとした。

 

これらの主張を通してラングランは、教育が目指すべき本来の指針、つまり知育・体育・徳育をバランスよく養う全人的発達の重要を改めて認識させた。また、社会的変動の激化を指摘し、従来の家庭教育と学校教育を終え社会人となってからであっても、学習を継続していくことの必要性を説いた。

 

従ってここに、これまでの家庭・学校での教育に「社会教育」を加えた「生涯教育」の基礎的な枠組みがラングランによって提唱されたのである。

 

この生涯教育論は大きな議論を巻き起こし、その後様々な人物によってその論理を発展させていった。

 

例えば、アメリカのロバート・ハッチンズは『学習社会論』において、生涯教育を職業教育の手段、つまり投資的な観点から捉えるべきではなく、全人的発達を目的とした古代ギリシア・アテナイ的教育観から捉えるべきであると主張した。

 

フランスの元首相であったエドガー・フォールは自身の名を冠した「フォール報告」において”Learning to be”という言葉を用い、学習は物や知識を所有するため(to have)のものではなく、自分の存在を高め上げていくためのものであるとし、知的・身体的・道徳的に調和のとれた「完全なる人間」を目指すことが教育の目標であるとした。それは技術の発展や社会の情報化に伴う知識の増大や変化が著しい現代において、既成知識を習得しようという従来的な学習姿勢はもはや不必要であるという確信に基づく主張でもあった。

 

その後、生涯教育は先進国からの視点からのみでなく、新興国・発展途上国の立場からも考察されるべきであり、また、抑圧された労働者などといった社会的弱者の解放に向けその役割を担うものでもあると考えられるようになった。現在は学習者の主体性をより強調して「生涯学習」と呼ばれることが多い。

 

 

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